卵子提供

 

きっと何万人の人がブログでこの話題を書いているだろうな、

とは思いつつ、ちょっと感想です。

 

49歳の国会議員が他人の卵子で体外受精したものを自分の

子宮の中に入れて妊娠しました。出産するころには50歳になる

そうです。

 

原理としては代理母と同じであって、55歳とか60歳とかで出産

している人もいるのですから、特別に驚くことでもないのかも

しれません。

 

ですが、ワタシが直感、感じたのは「違和感」。

「本人が欲しいんだからいいんじゃない」という人もいるでしょうけど

なんか違う、と思いました。

現実には、こういう体外受精は日本では学会として禁止されていて

できないですし、金銭的にも大変なので、同じようにこどもが欲しいと

思ってもあきらめている夫婦というのはたくさんいるわけです。

 

そうした人たちと日々接する産婦人科医としては、早く法律を整備して

いいならいい、だめならだめ、白黒はっきりしてほしいと思っている

のです。そしてそれをすべきなのが国会議員やお役人。

 

芸能人とか一般人とかが問題提起のために違法行為すれすれで

こういうことをするのはそれはそれでいいのだと思いますが、法律を

整備すべき立場の人間がこれをやっちゃったらだめでしょう。

 

「法律違反さえしなければ何をやってもいい」とうそぶいていた

ホリエモンなんかを思い出しちゃいました。

 

海堂尊が今年3月に「マドンナ・ヴェルデ」っていう本を出してましたが

こういうテーマでした。いつもこの人はこういう画期的な出来事が

起こる直前に本を出すんですね、すごいタイミングで感心します。

 

卵子提供」への4件のフィードバック

  1. こんにちは。妻がいつもお世話になっております。
    私は税理士で、クライアントに節税策を提供する為法律を駆使する側の人間です。
    節税と脱税の違いは「合法的か否か」ということ。大企業相手のビジネスはまさしく「法律違反さえしなければ何をやってもいい」の世界、と聞いています。
    しかし中小企業の社長さん達はもっと人間臭く、私達の税務判断にも「常識人として胸をはっていられるか?それとも疑問符が付くか?」という基準が大切になってきます。
    さらに私達は法律家として、立法趣旨も大切にする必要性を感じています。ただ、税務署員の方が「常識なんかより法律の文言!」という態度で接してくるときには困惑してしまいますが…
    今回先生がお書きになったような、現場にいる専門家にしか見えてこない世界もたくさんあると思います。気づいた人間が声を上げていくことは大切ですね。今はブログやツイッターといった便利なツールもありますし。
    今日帰宅したら「金子先生、体外受精には反対なんだって!」と言うので、このブログを拝見したら…意図が誤って伝わっていく場面を目の当たりにし、怖いな~と思いつつメールしました。

  2. ありがとうございます!
    男性と会話をすることがあまりないので、論理的な文章を送っていただけるとすっごく嬉しいです!
    女性がそうでない、というわけではありませんよ、念のため。(笑)
    体外受精、全然反対じゃないですよ!
    むしろ必要な人には大賛成です。
    ただ、野田聖子議員のやり方は、「ずるい」と思っているのです。
    だってこの方法は、法律がないから日本でできないやり方なんですから。
    国会議員ならまずは「法律を作ってください」と言いたいのです。

  3. 私も先生の違和感に共感します!!
    実は私の1番大切な友人が夫婦2人とも不妊でかなり思考錯誤している状態で・・
    旦那さんが手術をして精子を培養して体外受精してなど
    かなりお金と時間をかけ、そしてなにより先が見えないという不安な状況で、それでも夫婦で希望を持って頑張っています。
    身近にそうやって、頑張っている人がいると
    するりと卵子提供で体外受精をし、それをブログで報告する国会議員を見ていると
    「庶民はそんなお金ないし、でも出来る範囲ギリギリで頑張っているのに・・・」って思ってしまいました。
    別に政治家が嫌いなわけではないけれど
    あの人たちに、私たちの庶民の本当の生活なんて
    分からないんだろうなぁって思ってしまいます。
    すいません。。典型的な女性の文!?になってしまいましたが
    気にせず、コメントしました!

  4. コメント、ありがとうございます。
    そうそう、そういうことが言いたいのです。
    そう思いますよね!
    ところで、、
    女性の文章、大歓迎ですよ!!
    気を遣わせるような感じになってしまってスミマセンね。。。

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