月別アーカイブ: 2008年9月

言葉にすること

 

イチハチニ、なかなかいい感じで映っています。

「気になるショップ」のカテゴリーに入っているのが

すごい違和感ですけども。

 

ところでブログも始めてから5か月が過ぎました。

当初はこんなに続くとは思っていませんでした。なんせブログ

なんてバカにしていて、日記なんか書いてまったく恥ずかしい

もんだ、なんて思っていましたから。

 

クリニックの宣伝というと言葉が悪いですが、どんなクリニック

にしたいのか、わたしがどういう人間か、どういう医者か、を

少しでも読んだ人に分かってもらえれば、という気持ちで続けて

います。

 

もちろん書くのが大変だな、なんて思うこともありますけど、

結構いいのは、言葉にすることで自分でも自分の気持ちを

再確認しまた気持ちを新たにすることができることです。

これを医学用語で副作用ならぬ副効用といいます。

 

あと、個人的なことも、書くと結構気持ちいいんですよね、、、

 

最近スタッフの問い合わせをたくさんいただいていますが、

これを読んで共感して応募してくれていると勝手に思って

嬉しく思っています。

 

10月もがんばるぞ。

 

 

今日で9月も終わりです。

すっかり寒くなってしまって時間が過ぎるのも早く感じます。

 

一つ一つ決めるべきことを決めていって、ひと段落した、と

思う間もなくまた次々と新たにやるべきことが出てきます。

こんなに大変なの???

と、全国の開業したみなさんに敬意がわいてきます。

 

それでもまだまだ、

「開業した後はもっと大変ですよ」

と呪いのような言葉をかけられ、、、

 

まだまだ、大丈夫。

理想のクリニック、理想の仕事を実現するために、

がんばります。

 

そういえば、今日、イチハチニ、発行です。

ホームページ以外では初めてわがクリニックが世に出る

日です。(大げさ。。。)

ワタシも楽しみ。みなさんも見てみてください。

 

医局の復権

 

産婦人科医が減ってきて、あちこちで産婦人科医を増やすための

会議やシンポジウムなどが開かれています。

来年の産婦人科学会でこのテーマを若手医師のみで扱うことに

なっています。

 

いろんな議論はありますけど、問題は30代で産婦人科医をやめる

人が続出したり、新人が増えないこと。ですので、20代、30代の

産婦人科医や研修医がどう思っているのかということがとても大事。

 

というわけでこれからを担う世代の目線での企画、となりました。

 

その中で医局の力をもう一度洗い直して強めていけばいいのでは

ないか、という議論があります。私も賛成。

 

医局についてはなかなか一般の人にはわかりづらいシステムで

不合理なこともたくさんあって、名義貸しなんて違法なこともあって

だんだん崩壊し始めています。(詳しくはまた別項で。)

以前はそれもしょうがないかな、と思っていました。

 

ただ、医局は医師の偏在をなくすには有効でした。ある一定期間で

いろんな地域に派遣してそれでバランスをとっていました。

ですが、派遣される病院によって待遇がまったく違ったり、教育

レベルに大きな差があったりして不満も出ていました。

 

そこで、

社会主義的ですが、10年目くらいまでの医師は医局の教育システム

から離れられないようなシステムを作ってしまうのです。専門医も

とれなければ、症例の集まる病院には医局経由でないと入れない、

そのかわり、自分の希望する研修内容を提出すればそこには10年の

うち必ず1~2年は行ける、そんなシステムです。

 

診療科にしろ研修病院にしろ人気があるのは、教育に力を入れている

ところが多いのです。時間があって金も稼げる、みたいな診療科も

人気ですが、そんなことで人を集めても仕方ありません。レベルが

下がります。

 

産科医療が崩壊しかかっている今、個々人がわがままを言わず、

こういう教育システムを維持していく必要があるんではないかと

思っています。

 

医療連携

 

そろそろオープンのお知らせが広まり始めるので、

その前に近隣の病院にあいさつ回りに行ってきました。

 

産婦人科の先生たち、医療連携室の人たちにそれぞれ

の病院で会ってもらいました。どこがどうとは言いづらい

ですが、病院によってずいぶん熱の入れ方が違うな、

と感じました。

 

地域のために、という思いか、もう目いっぱいの患者さん

が来て自分のところでは対応しきれなくなっているから

なのか、一生懸命地域連携について説明してくれて

お互いにがんばりましょう、といってくれるところもあれば、

逆に、あ、そうですか、くらいのところもありました。

 

振り返って自分はどうだったか、と思ってしまいました。

近隣のクリニックには患者さんを紹介してもらいたいので

大切にしていたつもりでしたが、積極的に仲良くしよう

という感じではありませんでした。

 

立場が違うので、思いが違うのは当然ですが、産婦人科

施設が減る中、今まで以上に連携が大切になることは

間違いありません。

 

地域のみなさま、よろしくお願いします!

 

やるよ、オレ

 

またまたテレビネタで恐縮ですが。。。

 

アメリカの副大統領候補のペイリンさんの眼鏡を作っているのが

福井のメガネ屋さんで、デザインしたのが大阪大学の教授だって

少し前にそんな情報がありました。

 

無印良品のメガネを買っている私、政治家でも外見からしっかり

気にしているんだな、なんて感心してました。

 

その教授のおはなし。

生活雑貨から人工臓器まで、あらゆるものをデザインしている

そうで、デザインに対する熱い思いを語っておられました。

 

デザインを通して世界平和に貢献したい、という今現在の夢に

ついて語った後、

 

「やるよ、オレ」

 

ですって。59歳。

かっこいい~、とその姿勢に感動してしまいました。

研究内容がラディカルすぎてついていけない学生も多いんだ

そうです。好々爺もよし、ですがつっぱり続けるのもかっこいい

ものです。

 

ちなみにワタシの母親もツッパリおばさん。この年になっても

親子喧嘩が絶えませんけど、応援してますよ。

 

産婦人科の未来は、

 

週末の当直も終盤を迎え、明けの月曜からの日常勤務に

備え眠りについたころ、呼び出し電話が鳴りました。

 

うーん、眠い!

性器出血があって、お腹痛くて、、、ふんふん、婦人科系

だから診察しましょう、と奮い立って救急外来へ。

 

すると、うずくまったまま動けない女性。受け答えもはっきり

しません。幸い血液検査と点滴は看護師さんがしてくれて

います。

 

さて、婦人科の診察をしたいのですが内診台までとても

自力では歩けません。看護師さんと二人でえいやっと

乗せると、なんと、突然全身を震わせ目の焦点は定まらず

ばたばたし始めました。と同時に嘔吐。

ふえぇ~~~。

 

1分ほどで落ち着き、意識を取り戻しましたがとても内診は

ムリ。ではストレッチャーに移しましょう、ということでまた

えいやっと乗せると、今度は大丈夫。

 

いやな予感とともに超音波をお腹にあてると、お腹の中は

液体で充満!

性器出血もあるとすると、、、

 

ワタシ「妊娠反応見て、すぐにオペっ!」

本人、両親に説明、手術室に連絡、手術を一緒にする

レジデントを呼び出し、妊娠反応の結果を見ると案の定

陽性。

 

子宮外妊娠の破裂、それによるショックです。

 

やる気に満ち満ちたレジデントが駆けつけてきました。

手術をすると決めてから約10分、患者さんはもう手術台の

上です。

 

手際のすぐれた救急外来、手術室のスタッフ、麻酔科の

医師、みなさんのおかげでした。

 

お腹をあけると、血液が噴き出してきました。合計1.7リットル。

体内の約40%程度の血液が一瞬にして失われています。

でも女性は強い、血圧は低めながら安定しています。

 

すぐに出血部位を確認し、切り取って止血を確認。

なんとか輸血をしないで乗り切れそうです。

 

こんなのを専門用語で、”ど緊急”、と呼びます。ど緊急が

産婦人科の醍醐味。産科でも婦人科でも起こりえます。

 

ひと仕事をやり終え、達成感に浸りつつ

ワタシ「産婦人科、なかなかやりがいあるでしょ?」

レジデント「そうですね、驚きました。

       でも、ぼくはやっぱり小児科希望ですね」

ワタシ「あ。。。そう。。。」

 

でもできる限り産婦人科の魅力を伝えていくつもり。

へこたれませんよ。

 

やめられない

 

スタッフ応募いただいたみなさま、ありがとうございます。

予想外に多いのでびっくりしています。

適宜、直接お会いしてお話をうかがい、またこちらのお話を

聞いてもらっています。

 

まだまだ受け付けておりますので、話を聞くだけ、という

場合でも結構ですのでお問い合わせください。

お待ちしてます。

 

ところで、今日はまた当直ですが、、、

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缶コーヒー、やめられません。いちおう、お砂糖が入って

いないもの、少ないものを選んでいますけど。

このほかに捨てたのがあと2本。まだ30時間程度しか

経っていません。

 

これは太る前兆。。。

ということでインスタントコーヒーにチェンジ。

ところが、、、

 

クリープが変色して黄色いではないですか。

かまわず入れてみると、まったくお湯に溶けません。

粒をなめながら、ブラックを飲む、新しい感覚。

 

いや、これは買いに行ったほうがいいですね。

 

イライライライラ、、、  反省。

 

最近、役所など公的な場所で大声を出してクレームをつける

中高年が増えているそうです。

 

悪質なクレーマーではなく、きわめて普通の人たちが多いの

だそうで、大声を出したあとよくよく話を聞くと、職場や家庭で

居場所を失ってストレスがたまっていることが原因になっている

とのことでした。

 

ふーん、そんなもんかなぁ、なんて思っていましたが、

そんなワタシも。。。

 

NTTへ新しい電話を引くのに電話をしました。

まず、電話がつながるまでに約5分の待ち時間。

 

アナログ回線と、ひかり回線、それによって基本料金や電話

番号まで変わるんだそうで、まずそれを理解するのに一苦労。

 

以前に対応してくれた人と違う人が出て、その人が職場に

戻るのは月曜日になる、自分では対応できない、などと

言われ、イライラっ!

 

「あなたはねぇ!、、、」

などと言ってしまいました。。。

考えてみればそれだけのこと。

 

そのあとはっとして気恥ずかしくなりましたが、なんとなく

不機嫌を装い、電話終了。

 

NTTの担当の人、スミマセン。

一応、職場にも家庭にも居場所、ありますけどね。

ありますよね?

 

新しい仲間

 

もうすぐ新しい仲間ができる予定です、

といっても金子レディースクリニックの話ではありません。

 

現在の関中病院の話です。10月から相棒が変わります。

分娩は休止したままですが、4月から二人体制でなんとか

産婦人科自体を消滅させないように、できる範囲で婦人科

を継続しています。

 

ほんとうは婦人科より分娩を継続していたほうが有益だった

のですが、いまとなっては後の祭りです。

 

やはり一度なくなると、再開させるのは大変です。そういう

意味では婦人科だけでも継続しているのはすごく意味がある。

はず。。。

 

で、本題に戻って、また新しい医師と働くのはとても楽しみです。

違う大学医局出身の医師と働くと、大きな診療上の方針の

違いはありませんが、ところどころで驚いたり感心したりする

ことがあるからです。

今の相棒の医師からもだいぶ刺激をもらいましたし、また彼女たち

(今も今度も女医さんです)を通して知り合いが増えたりします。

 

なにより、金子レディースクリニックは杏林大学にお世話になる

可能性が高いので、杏林出身の彼女たちとつながりが持てた

ことはとてもよかったです。

 

一時期患者数が落ち込みましたが、最近は予約がとりづらい

状況にもなっていますし、もっともっと盛り上げていきたいと

自分にも期待しています。

 

家族のように

 

今日の昼は日陰に入るといい風が吹いて、秋を

感じました。まだ少し陽射しが強かったですけども。

 

NHKの”プロフェッショナル”、見ました。

内視鏡の先生が出ていて、有名な先生だそうですが

知りませんでした。他の診療科のことになると特別な

情報は入りません。

 

それはともかく、その先生のモットーは、

「患者さんは家族だと思って最良の治療法を選択する」

ということでした。

 

前にちょっと書きましたが、私もこのスタイルがしっくり

きています。医師の中には、家族の場合と患者さんの

場合と対処が違うこともあります。

 

たとえば、婦人科ならガンではなく子宮を取る手術を

するとき、お腹を縦に切るのか横に切るのか。

 

縦に切ると手術はやりやすい。

横に切るとキズは目立ちにくい。

 

家族なら横に切るけど、患者さんなら縦に切る、なんていう

選択をする医師が多いのです。手術がやりやすいという

ことは安全につながるので、患者さんには安全を最優先

する、というのが理屈です。

 

でも実は家族を危険に陥れているか、というとそうでもない。

そういう判断をしているからこそ横に切るんです。(だと思う

のです)

 

ちょっと瑣末な例でしたけれども、すべてのことに通じると

思っています。

 

それを教えてくれたのは研修医時代のチューベン(直の

指導医)、カズノリ先生。

カズノリ先生も患者さんに肩入れしすぎてよく怒られて

いましたが、私は怒るほうがおかしいと信じていました。

 

今日のプロフェッショナルで、意を強くした次第でした。