掲示板にご質問があったので、こちらでお答えします。
ちょっと長いですし、興味のない人には面白くない話題です。
すみません。。
直接支払制度が厚生労働省の肝いりで今年の10月から
始まりました。
どういう制度かといいますと、、、
産婦さんと産科施設の間で契約書を交わして、従来なら
産婦さん本人またはご家族に支払われていた出産一時金を
直接産科施設に払ってもらうようにする、というものです。
その額は42万円ですので、うちの場合なら10万円を予約金で
いただいていますので、ほぼ精算なしで済みます。
産婦さんはお金を一時にたくさん用意しなくて済みますし、
産科施設は取りはぐれがない、ということで両方にとって
メリットがある、というのが厚生労働省のうたい文句です。
ところが、、、
実は産科施設にはメリットはほとんどありません。
どころかデメリットばかり。。
というのも、出産して出産費用を払わずに逃げてしまう人など
ほとんどいません。
従来、産婦さんが健康保険組合に請求して一時金をもらって
いましたが、その事務手続きを産科施設で代行しなければ
ならないので、その仕事量が膨大になります。この手数料を
3万円程度上乗せしてもいいことになっていますが、それは
産婦さんの負担になってしまいます。
しかも、この手続きは前もってできないため、出産してから
42万円が振り込まれるまで約2か月かかります。
つまり、2ヶ月間、出産費用の8割程度が未払いになってしまい
ます。
産科施設は、出産費用が収入のほとんどを占めますので、
収入が2ヶ月分、従来の30%程度になってしまいます。
それが2ヶ月後に返ってくるかというと、ずーっと2か月遅れに
なってしまいます。返ってくるのは出産の取扱いをやめたとき。
こういう制度を作り上げた人は、自分の給料が今後2か月
30%になることを考えて作ったのでしょうか?
想像力が全く足りないとしか思えません。そういう人が国の
形を作っているんです。。。
一方で、産婦さんにとってみれば、、
従来から、健康保険組合には貸付制度と言って書類を1枚
出せば、出産前でも出産一時金の8割程度を借りられる制度
があるんです。
ですので、本当に現金が足りない場合は、その制度を利用
すれば済む話なのです。
そして、これは自民党政権の時に、ちょー駆け足で作られた
制度ですので、民主党に代わってこの制度がいつまで続くのか
わかりません。
というわけで、この制度自体に反対してるので、ご理解いただけ
れば、と思っています。