産科立て直しに向けて 3

 

今日はトーヨーキッチンでキッチン選び。自宅用ですけどね。

ショールームに行くとオシャレなのがたくさん並んでてテンション

上がります。

 

さて、続きです。

個人開業医で医師一人当たり約400件の分娩を余裕をもって

こなすなら、それをサポートする体制が必要です。それはすなわち

助産師、看護師です。

 

助産師がたくさんいれば、正常のお産は全く任せて問題ないので

ずいぶんと楽になります。しかし、産婦人科医が不足している、

といわれる前から、業界では助産師が少ないのが問題でした。

 

それなのに助産師も増やそうとしません。助産師学校は看護師

免許を持っていないと入れないし、4年制の大学でも選抜された

人しか助産師コースに入れません。その倍率はかなり高いのです。

つまり、助産師になりたい人はたくさんいるのに、それを教育する

場がないので助産師が増えないのです。

 

そのために、5年ほど前までは個人開業医では看護師や准看護師

が分娩経過を見て医師に報告して、ということをやっていました。

経過を見ていく中には当然内診も含まれていました。内診とは子宮の

開き具合を見るもので、それによってお産がどれくらい進んでいるか、

今後どのように進むかの判断の材料になります。

 

それが平成16年に、厚生労働省から内診は助産業務に含まれるとの

通達が出されました。事実上、看護師は内診をしてはいけないとの

通達です。保健師助産師看護師法という法律では助産業務の定義が

曖昧なままなので、長年内診が助産業務かどうかはグレーゾーンの

まま運用されていました。

 

それを内診が助産業務であるとの通達を出し、そのうえ平成18年には

神奈川の産科病院で看護師が分娩経過を見ていた妊婦さんが、

出産後出血多量で亡くなった事例があり、出血多量と看護師の内診

は全く関係なかったにも関わらず、看護師の内診が問題であると大きく

取り上げられました。

 

その後はどこでも看護師が内診できずに分娩経過を見ることができず、

個人開業をやめる医師が増えました。

 

助産師を大幅に増やすような計画はなく、看護師に分娩経過を見ること

も許さない。これが産科を扱う医師に負担をますますかけています。

 

ワタシも体力的に問題のないうちは続けられますが、今の体制が今後も

続くとするとやめる時は2日連続で起きていられなくなったときでしょうか。

 

看護師には内診を認めないのに、助産師には会陰切開や縫合という

明らかな医療行為を認めようという動きもあるようです。意味がわかり

ません。

 

産婦人科医を増やすように努力するのは当然ですが、それはどうやっても

すぐには無理。でも今すぐにできることはたくさんあるのです。なぜそれが

実現しないのか、国が本当に産科医療のことを考えているとは思えません。

 

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