クローズアップ現代

 

昨日のクローズアップ現代で、妊娠中のエコーによる

診断の話題が出ていました。

 

突然赤ちゃんに異常があると言われたお母さんは、びっくりして

パニックに陥ります。そのケアが十分にできていないのでは

ないか、というお話。

 

解説をしていた先生の話では、エコー技術が格段に進歩して

いままではわからないでいたものがわかってしまうようになって、

そのときの対応にまだ全体でコンセンサスがないのが問題だ

とのことでした。

 

一部病院では、エコー検査をやるにあたって、異常がわかった

場合、知らせてほしいか知らせてほしくないかをあらかじめ

書面で聞いておくところもあるようです。

 

でも、うちのようなクリニックの場合、異常がわかって知らせない、

なんていうことはありえません。

だって、異常があるとわかっていて、小児科の医師などが万全の

体制で準備していたら助かるかもしれないものが、うちで産んだら

助からない、なんてことがあるわけです。

 

また、助からない異常が見つかった場合、中絶するかしないか

家族の判断に任せる、というのがいまの主流ですが、それが

「丸投げされた」

と言われていました。

 

コミュニケーションの問題だとは思いますが、異常がわかってから

中絶をするしないの判断をするまでの時間が圧倒的に足りない

わけです。

それにこういう問題は個人個人の価値観の問題なので、医療者側

から中絶すべきとかすべきでないとは言えないです。

 

患者側に情報が足りない、と言っていましたが医療者側にも情報は

ないのが現状です。エコーで診ただけでは、その子がどれくらい

生きられるのかなんてわかりません。

なので、最悪のケース、最良のケースを話してその間です、ということ

しかできないのです。

 

今、中絶が許される週数は21週6日まで。

これを延長するしかないんじゃないかと思いました。

それに、今は赤ちゃんの異常では中絶できないことになっています。

これも変えたほうがよいですよね、現状とあっていないんだから。

 

私なんかでも、もし自分のこどもに異常があったらどうするか、なんて

今の時点ではまったくわかりませんし、その時になったらきっと

パニックになるだろうな、と思います。

 

とーっても難しい問題だから取り上げたんでしょうけど、医療者側の

努力が足りないんじゃないか、という論調にはちょっと疑問でした。。