和田寿郎さんが亡くなったそうです。
和田寿郎さんは日本で初めて心臓移植をして、良くも悪くも
日本の移植医療を遅らせたきっかけを作った人です。
和田さんの判断が悪かったのか、それをたたいた周りの
医療者やマスコミが悪かったのか和田さんの移植のあと
2例目が行われるまで何十年と世界に後れをとってしまいました。
それはともかく、、、
和田寿郎の名前を知ったのは、浪人生の時でした。
漫然と(?)医学生を目指していたワタシでしたが、浪人して
少し時間ができたので、「医学部向け特別講座」みたいな
ものを受けてみました。
時間が余ってるから受ける、というのもおかしな感じですが、
東大なんかを受験するのに、とくにそういう教養的なものは
必要なかったのです、当時は。今は知りませんが、、、
当時医学部の受験で流行っていた、小論文対策の授業だった
のですが、一発目のトピックが和田さんの移植についてでした。
和田さんの名前どころか、そういう問題があったということすら
知らなくて、渡辺淳一かなんかの小説で一生懸命読みました。
なんだかとんでもない世界に足を踏み入れようとしてるのかな、
なんて初めて医学の世界に畏れを抱いたのをよく覚えています。
なんせそれまで「なんとなく」医学部を目指していたので。。。
人の命を操作しかねないということ、頭のいい人たちが名誉や
出世を目指して権謀術数を尽くすこと、、、
すごくショックを受けて、なんだか怖くなってそのあとのその講座は
全部サボりました。
結局、医療の世界に入ってみれば別に大したことはなかった、って
いうか、そういう世界から離れたきれいな場所もあることがわかった
んですが、リアルに医療の世界を意識した最初の人で、感慨深い
ものがありました。