あけましておめでとうございます

 

いよいよ開業イヤーの幕開けです。

準備ばかりしているので早くクリニックをオープンして仕事をしたい、と

思っています。

 

去年も産婦人科を取り巻く状況はあまり良くならず、むしろたらい回しだ

などと報道され、医師の数が増える見込みはなさそうです。最終的には

産婦人科医師の数が増えないとどうにもならないのですが。

 

今年は昨日から、産科医療補償制度がスタートしました。それによって

お産の給付金が上がって、また10月からも少し上がるなんて話もあって

それがどれほど機能してくれるでしょうか。

 

産婦人科医の当直料がべらぼうに上がって、ちょっとおかしいと思って

いるのですが、お金の使い方が間違っています。これは病院とか開業医

がお金を出すからこういうことになっているんですが、国が主導権をもって

周産期医療の保険診療の点数アップ、集約化をするならその整備、

などにお金を使うべきです。

 

たぶん、多くの医者は時間が欲しいのであってお金が欲しいわけでは

ありません。と言っても、一般的に見れば今でもそれなりにもらっている

のです。

 

ただ、休む時間がないからやめていく。その時間確保のためにお金を

使うべきではないかと思っているのです。それには個々の病院単位で

考えてもだめで、もっと大きな視点で考えないといけないでしょう。

 

医療は純粋な市場原理にはなじまないわけで、なじませようと思ったら

お金を持っている人は医療を受けられて、そうでない人は受けられない、

という事態が起こります。

アメリカでそういうことが起こっているのに、そしてそれはよくないと

誰もが思っているのに、医療費抑制の名の下、そこに向かっている

のです。

 

こういう議論が活発になって、少しでも動いていけばいずれいいものが

出来上がるのではないか、とも思います。

産科医療補償制度がそのスタートになりうるかどうか、動き始めたこと

はともかくもよいことかもしれません。

 

大きなことを言っても、私はまずクリニックを軌道に乗せること、そこから

頑張っていかねば。

今年も、いや今年こそ、よろしくお願いいたします。

 

2008年最後の日

 

今年最後の日になりました。

あいにく、と言ってはいけませんが病院に今日3度目の登場です。

こんな時に病院に来なくてはならない患者さんのほうがずっと

大変です。。

少しでも気持ちよく年を越してもらえたらと思わずにいられません。

 

振り返るとあっという間でした。今年の初めは新生児科勤務で

四苦八苦、久しぶりに研修医に帰って今思えば楽しいものでした。

シゲ先生、ありがとうっ!

 

自分でもよくわからないまま、関中に来ることになり、大樹の陰から

一気に砂漠に放り出されたようで、慣れるまで少し時間はかかり

ましたが、これもいい経験でした。

 

しかし、なんといってもクリニックが建ち上がりはじめ、スタッフも

集まってきて、説明会も無事に終わって(あ、2回目もありますよ)、

4月1日開業にむけ準備を整えつつあります。

 

開業に向けては、オーナーさん、建築士さん、建設業者さん、

税理士さん、医療器械屋さん、ノムさん、そしてなんといっても

このクリニックに共感し暖かくもやる気に満ちたスタッフの方々、

多くの方に応援してもらっています。

どうもありがとうございます。

 

この産婦人科冬の時代に、一人でも多くの患者さんの助けに

なれるよう、またみんなで力を合わせて頑張っていきます。

仕事上、女性ばかりしか直接的には応援できませんが、

女性が元気な社会はきっと明るいものです。そうなるために

少しでも私たちの力が役に立てば、と願っています。

 

帝王切開 2

 

今日もいい天気でした。オンコールはありますが、家で過ごして

いますし、ちょっとした外出もできるので落ち着いた年末です。

 

さて続きです。

私は、経腟分娩至上主義ではありません。ですが帝王切開が

いいとも思えません。何もしなければ経腟分娩になるわけで、

でも医学の進歩があって帝王切開にするべき症例が増えて

きているのも真実です。

 

ですが、逆子なら必ず帝王切開とかいうのは産婦人科医の

怠慢、というか思考停止なんだと思っています。そこで考え

なければ産婦人科医の意味がありません。帝王切開など

100件もやれば一人でできるようになってしまいます。

 

ただ、やはり危険性が高いのは高いですし、そういうお産には

人手が必要になるので、クリニックで扱うとすると今までより

判断を厳しくしないといけないな、と感じています。

 

自分ではそう思っていますが、妊婦さんもそう思ってくれている

かどうか、それもいつも気になります。

帝王切開だろうが経腟分娩だろうが、妊婦さんと同じ方向を

向けたと感じるときはいいお産だと感じられますし、そうで

ないときはただの自己満足か、とがっかりしてしまいます。

 

クリニックでやることで、より密な関係を築いて妊婦さんと

同じ方向を向けるように頑張っていきたいと思っています。

 

帝王切開 1

 

久しぶりに医療についてのお話です。

妊婦さんから質問があったり説明会でもちょっと聞かれましたので

帝王切開に対する私の思いを少し。

前にもちょこちょこ書いてますけどね。。。

 

今の日本の帝王切開率は15%くらいです。早産とか高齢での合併症

のある妊娠なんかが増えているので、クリニックで扱うような分娩では

10%弱かな、という印象です。あくまで印象です。。

 

よく問題になるのは、逆子、前回帝王切開、双子です。

これ以外のものは帝王切開をすることにあまり議論はありません。

この3つはだんだん帝王切開されることが多くなってきています。

 

理由は、逆子の場合帝王切開のほうが普通分娩よりも赤ちゃんに

危険が及ぶ確率が低い、というアメリカでの論文が出たことです。

前回帝王切開についてもアメリカで帝王切開すべき、という論文が

出て、それが否定される論文が出たにもかかわらずその名残がある

ため、双子については、二番目の子が分娩時に逆子になることが

ときどきあるから、です。

 

あとは訴訟の問題です。

赤ちゃんに障害が残ろうが残るまいが、帝王切開していれば

全力を尽くしたとして医療側が負けることはあまりないのに、

普通分娩の場合、それに固執したからだ、と医療側が負ける

ケースが多いためです。

 

こうして、10%程度が帝王切開になっています。

でも、私はそれは本当に必要なものなのだろうか、という疑問を

いつも持っていますし、産科に携わるならそのことを常に考えて

いるべきだと思っています。

 

仕事納め

 

昨日は仕事納めでした。

といっても何をしたわけでもありませんが、一応今年も無事に

終わりました。

 

開業の準備については、今年初めにはまだ建設会社も決まって

おらず、建築確認に何ヶ月もかかるなんていう話もあったりして、

それでも開業の申請を出しちゃったし、どうなるかと思っていました

が、無事に予定通り進んでいます。

 

スタッフもいい人が揃いつつありますし、分娩予約も入れてもらって

あとはきちんといい医療を提供していくだけです。

 

自分の仕事でいえば、4月から今の病院に来て、はじめは外来も

壊滅状態でしたが徐々に良くなってきました。やはり良くなってくる

までには半年くらいはかかった感じです。

 

手術もコンスタントに週1回以上してきて、どれも無事に経過して

ひと安心。自分が責任者になると、どんな簡単な手術でも最初は

相当緊張しました。開業前に経験できたことが、この病院にきて

いちばん良かったことかもしれません。

 

心残りは今見ている患者さんたちをどうしても他の病院に振り分け

ないといけないこと、これは来年早々にしなければなりません。

気が重い。。。

 

そういえばレセプトも山のように残っていました。今年中に仕上げ

なければ、来年大変。。まだ仕事納められません。。

 

目が痛っ

 

2週間くらい前にできた顔の引っかき傷が全然消えず、

このまま人相の悪い顔になってしまいそう。出会った人は

見て見ぬふりをしてください。

 

昨日の当直もまたまったく寝られず、目が痛すぎです。

到着して引き継ぎ時

「今日はきっと産まれないよ」

なんて言葉を受け、テレビなどを見つつ寝ようと思っていたら

「おなかが張るっていう妊婦さんが来てまーす」

 

産まれないとは聞いたけど、救急ならしょうがない、と一仕事。

 

そのあと今後の準備のことを考え始めてしまい眠れなくなって

しまい、ようやく2時ころウトウトし始めたら

「お産でーす」

 

お産も無事に終え、また考えめぐらせながらウトウト始めると

「流産の患者さんでーす」

 

これまたひと仕事を終えると、もう6時。7時には出ないと

いけないので、30分でもいいから寝よう、と思ったその瞬間

「2件お産でーす」

 

うーーー、結局二人ともすぐには産まれず引き継ぎをし

出てきました。

 

おかげで今日は目が痛いのです。研修医のころは慢性的な

寝不足で、昼間に病院の外に出ることがほとんどなく、たまに

外に出るとまぶしくてぼろぼろ涙をこぼしたものでした。

 

今日は久しぶりの涙。ちょっとなまりましたかね。

 

なかなか断れず

 

今の勤務先、関中病院は私の後任が決まっていません。

なので手術はもちろんいまフォロー中のがんの患者さんなんかも

フォローできなくなってしまいます。

 

そんな中、新規の患者さんを受け入れるのは本当は良くないのですが、

事情を説明しても、どうしても少しでもいいから見てほしいといわれる

ことも多いのです。

 

そう言われると、

「2月までですよ」

と言いながら受け入れてしまいます。やっぱり頼られればそれに応え

たいという気持ちがまだ抑えられません。

 

クリニックになったら断るべきものは断らないとお互いに不幸になるので

その辺が課題かな、と思っています。クリニックで事故が起きるのは

見切れないものを見ようとしたとき。それは鉄則です。

 

うまく断れるようにならなければ、と思うこのごろ。。

 

睡眠過多

 

今日はなんだか生温かくて気持ち悪いですね。雨が降るのかな。

 

昨日一日寝てました。こんなに寝たのはいつ以来だったか覚えて

いないくらい寝てました。

 

学生の頃とか寝始めるといくらでも寝られましたけど、最近は

眠いはずなのに寝られなくて起きちゃったりして、じーさんとか

こんな気分なのかななどと思っていました。

 

1日のうち18時間くらいは寝ていたように思いますが、それでも

M-1だけは見ました。

個人的にはオードリーだったんですけどねぇ。

 

ファイブオーシャンズ

 

土曜はしっかり寝ようと思いましたが、子供に叩き起こされ

変な時間に寝てしまい、結局また3時過ぎまで起きてる羽目に

なりました。

 

うちのクリニックを作っているのは五洋建設というところなのですが、

五洋は世界の五つの海、ということだそうです。

 

びしっと予定どおりに建ててくれていてすごいなぁ、としか素人目

にはわからないのですが、設計士さんから言わせるとこんなに

気持ちよく働いてくれるところはないのだそうです。

 

確かに現場に行くとみんな気持ちよく挨拶してくれるし、手を止めて

見せてくれたりして、いい人たちだとは思っていました。

特にガードマンさんがいいのですが、これは契約だそうで、でも

前の現場から引っ張ってきたらしく、どこでも人のつながりだな、

なんて感心しました。

 

金曜は、現場の所長さんたちと忘年会。

やっぱり、職人。自分たちの現場に誇りを持って働いているのが

ひしひしと伝わりました。細かいこだわりがあって、線がそろって

いるとか、見えないところの穴がきれいに開いているとか、中身は

よくわかりませんでしたが、その思いは強く伝わってきて、仕事

してもらってよかったと思いました。

 

しかも、ファイブオーシャンズは日露戦争の日本海海戦に大いに

協力したとのこと。「坂の上の雲」の大ファンの私はちょっと興奮

してしまいました。

 

今日は広報部になったようで。

 

ちょっと休憩

 

日曜の説明会に始まって、今週の土曜まで、普通の診療はもちろん

それ以外のイベントが毎日詰まっていて、今日だけ休みでした。

 

というか、器械屋さんとの打ち合わせでしたが、キャンセルしました。

やっぱり説明会の疲れを引きずっているのかなぁ、と思います。

当日、翌日は高ぶっていたのかやや興奮状態でしたが、その疲れが

今朝くらいからどっときています。

 

「お前には患者さんに笑顔くらいしか出せないんだから、それくらい

がんばれ」

って研修医のころ言われてました。それ以来、患者さんには暖かい

笑顔で、と心がけていますが、最近は

「今日も疲れた顔してるね」

って外来看護師のトクさんに言われちゃってます。

 

いやいや、大丈夫ですよ。そういえば、最近ジョギングできてないから

でしょうかね。