開業への道のり 6

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像のサムネール画像ちょうど今から1年半ほど前、キー先生と一緒に

近隣の開業医の先生との会合に行きました。

そこには5人ほどの開業医の先生が来ていましたが、

みなさん、そろいもそろって人当たりがソフト。

一見してすごく親しみやすい先生たちです。

(ああ、さすが、開業するとぱっと見ただけで人を安心させるなぁ)

なんて思いました。

 

その中でもいちばん最近に開業したタカヤ先生にちょこちょこと走り寄り、

ワタシ 「先生、どうやって開業したんですか?興味あるんです」

タカヤ先生 「あ、それならいい人がいるからぜひ紹介させてください」

ということになり、

数日後、さっそくお誘いのお手紙がきました。

 

指定の場所に行くと、雰囲気のある料亭風の場所。こちらはジーンズに

Tシャツでいかにも場違いな感じ。

なんとなく居心地悪い感じで待っていると、タカヤ先生が現れました。

タカヤ先生「お待たせしました」

つづいて、後ろの男性が腰を90度に曲げ

「お世話になりますっ!」

KYな(ちょっと古い)感じのでっかい声で叫びました。

 

度肝を抜かれるワタシ。。。 その人物がノムさんでした。

さらに、、、

ノムさん 「先生は練馬の出身ですよね」

ワタシ 「そうですが。。。」

ノムさん 「学生のころマラソンを走ってましたよね」

ワタシ 「はい。。。」

ノムさん 「サスケにも出てましたね」

ワタシ 「。。。」 

初対面なのに、なぜか私のプロフィールを知っています。

(何者??、ちょっと怖っ。。。)

 

つぎに、ばぁっと東京西部の地図を広げるとなんと出生数と産婦人科の

所在地と取り扱い分娩数が書かれています。それをもとに、ここなら

需要がある、ここでも大丈夫、などと教えてくれます。

さらに、月に何件分娩を扱ったら、何人助産師さんが必要で、収支は

これくらいで、、、と具体的な話が次から次から出てきます。

 

自信たっぷりの話し振りと、正確な(と思われる)情報にワタシの心は

がっちりと鷲づかみにされてしまいました。そしてあっという間に開業が

現実味を帯びてきました。

 

竣工??

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完成予想の模型ができました。正面はガラス張りで

かなりカッコいい。。。

色味はちょっと変わりますが雰囲気はこんな感じに

なると嬉しいです。

私の苦心の作です、、、ウソです。

 

設計士さんが作ってくれました。この設計士さん、

今までの作品もかなりオシャレで、いいものができ

あがると期待しています。

 

コンセプトはsimple & comfortable

美術館、図書館のような落ち着きとシティホテルの

ような快適さを取り入れ、決してゴージャスに走る

ことなく快適な医療環境を目指しています。

 

お楽しみに!

 

救急医療

 

宮城の地震で山がそのまま崩れた映像は衝撃でした。

中国とか阪神のときは建物とか道路の崩壊が目立ちましたが、

山ごと崩れては。。。

 

地震速報が機能した、とか、電車が自動的に止まったとか、

人工的なものの地震対策は進んでいるようですが、地面ごと崩れたら

どうしようもない。

 

まだ行方不明の方が多くいるようです。現地では必死の救出作業、

救急医療が行われているものと思います。

 

産婦人科って病院にいると、めったに救急蘇生の現場に立ち会うことは

ありません。気管挿管とか心臓マッサージとかは救急科、内科、外科が

担当しています。

 

2年前に新幹線で心肺停止の状態の人に遭遇しました。学生時代の記憶を

頼りに救急処置を試みましたが、結局亡くなってしまいました。あまり自信が

なかったので、動き出しが30秒遅かったのではないかと、今でもときどき

痛恨の思いにかられます。その後、救急処置の講座を受けなおし、新しい

建物に入るとAED装置の場所をを確認するようになりました。

 

秋葉原での事件でも産婦人科医が救急処置に当たったそうです。そんな場面が

起こっては困りますが、常に心構えをしておくことが重要、ですね。あらためて

そう思いました。

 

どうしても傍観者になってしまいますが。。。

一刻も早い救出を祈ります。

 

いよいよ…

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像

 

 

 

 

 

関東中央病院での仕事もだんだん落ち着いてきました。

外来、入院、手術、なんとなくペースが決まってきています。

まだまだ余裕があるので、物足りないのですが。。。

 

しかし、、、

今日のジリさん、頼もしく見えました。

ジリさん「今日ちょっと忙しいんだけどね、もう、行けますよ」

ワタシ 「ほんとですか!?」

ジリさん「まだ内緒よ、おおっぴらにはまだよ」

 

でも表情が違いました、今日のジリさんは。

いよいよ、始まります、関中でのお産が。

私の執念が(というほどのものでもないですかね)

もうすぐ実りそうです。

 

大繁盛間違いなし!

 

9月に世田谷で成城マタニティクリニックが開院します。

まずはスタッフが続々集まっているそうです。

 

院長先生は関東中央病院で毎週水曜日外来に来てくれて

いますが、とても親切丁寧で穏やかな先生です。

分娩希望の患者さんも、検診にいらしています。

 

まだ建物は覆いがかかっていて全貌は見えませんが、

おしゃれな建物ができそうです。完成の暁には患者さんも

ぐんと増えるのではないかと思っています。

 

世田谷もお産を扱う場所が少なくて、新しい施設ができるのは

何十年ぶりっていうレベルだそうです。

 

自分の半年後を想像しちゃいますので、なんかどきどきします。

早く地域の皆さんに浸透するよう、ささやかながら応援しています。

 

麦門冬湯

 

麦門冬湯 バクモンドウトウ 

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咳止めの漢方です。咳止めの

薬ってどれもイマイチでびたっと

止まることはほとんどないです。

風邪が治ると自然に治るって

感じです。

 

ところが、、、

私、喘息持ちでたまに大きな発作が出るんです。一昨日

昨日ときつくて、風邪とからんだせいもあって難儀しました。

前はステロイドの吸入を使っていましたが、ここ2年ほど

出ていなかったので捨ててしまっていました。

そこで、薬箱を漁っているとそれは古い麦門冬湯が出て

きました。

 

まあ、のんでみるか、

とのんだら、ピタッと咳が止まるではないですか。

3年以上前の薬で熟成されたのか(そんなわけない)、

気のせいか、

麦門冬湯、恐るべし。

前はそんなに効かなかったはずなんですが。

 

漢方、なかなかやりますな。

 

5割5分の男

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今日は雨かと思いきや、午後晴れましたね、

雷がすごかったですが。

 

さて、5割5分の男は現病院の事務長、ジリさんです。イチローでさえ

4割には満たないのですからかなりの高打率。

このジリさん、かなり人がいい感じで、医療に対しての理想も高いの

です。

 

今日もお産の再開について話し合ってきました。婦人科は手術の

予定も埋まってきて、盛り上がってきていますので、お産さえ再開

すれば、という状況です。

 

ジリさん「地域のことを考えても病院のことを考えても、早くお産を

     再開させたいですよ」

ワタシ 「なら、始めちゃったほうが早いんじゃないですか」

ジリさん「それも考えないわけではないんですがねぇ」

ワタシ (これ、本気かね?)

 

外来に戻って看護師のミユキさんに相談。

ワタシ 「ジリさんっていいこと言うけど、どれくらい実現しますかね」

ミユキさん「まあ、五分五分ってとこですよ。いいとこ5割5分ですね」

 

うーーん、ミユキさん、厳しーっ。

まあ、いい人だから、もう少し待ってみましょうか。

 

ちなみに金子レディースクリニックの事務長は有言実行、9割5分です。

つきあい33年ですから、はい。

 

 

開業への道のり 5

 

しばらくぶりの続きです。

 

常に患者さんのそばにいよう、公私混同しよう、という発想で、

開業への決意を固めました。

 

どこで開業するのか、開業には何が必要なのか、お金はいくら

必要なのか、まったくわかりません。

 

そこでまずは一刻も早く開業できるだけの医療技術と知識を

つけようと思いました。ユキオ先生からも手術のやり方や、

異常分娩の見分け方、逆子分娩、鉗子分娩などたくさん

教わりましたが、さらにひとり立ちを目指して小平市の病院に

異動しました。

 

そこでは、第3の師匠、キー先生に出会います。

キー先生は良くも悪くも放任主義、こちらの思うとおりに

やらせてくれますが、最後の後始末までこちらでやるように

ということで、ひとり立ちするには抜群の環境でした。

 

婦人科手術の最高難度、広汎子宮全摘という手術が

あります。当時、手順は覚えているもののまだ自分ひとりで

できるものではありません。手術は手順さえ覚えればいいって

ものではなく、それぞれの患者さんによって微妙に癒着して

いたり、解剖に個人差があったりしますので、突発事態に十分に

対応できないといけません。

 

最初のうちは第一助手でサポートしてくれましたが、そのうち

第二助手にみずから下がってしまいました。第一助手をうまく

使うのも術者の力量ですから、そこを見てくれているのだな、

と思いきや、手術中ほとんど眠っています。

 

太っ腹、大胆、テキトー大臣、無関心、どれが当てはまるのかは

いまだによくわかりません。

 

一事が万事そんな感じですから、いやでも独立心が身につきます。

ちなみにキー先生と若いころに一緒に働いた先生たちはみんな

出世しています。きっと早いうちから独立心が身についたからでは

ないかと思っています。

そういう意味では、名伯楽、とも言えるでしょうか。

ん、言えるんですか?

 

そんな中、医療技術や知識だけでなく、当然患者さんとのトラブル

でも一人で対処しなければならず、だいぶ鍛えられました。

ときには冷たい視線を向けられ、ときには罵声を浴びせられながら

学びました。

 

嘘をつかないこと

悪いことは悪いと認めること

常に患者さんの目線を忘れないこと

 

こんなこと当たり前なんですが、すごーく難しかったです。

今でも毎日肝に銘じていることです。

 

そしてまた、日々勉強は続けなければいけないこと、

そして勉強は人に教わるのではなく、自分で学ぶもの

だということも実感しました。

 

そんなこんなで毎日を忙しく過ごしているうちに、いよいよ

ノムさんとの出会いがありました。

 

 

特売品

 

そういえば、今日はサミットで(洞爺湖ではありません)、

またもトクさん(外来の看護師さん)に会ってしまいました。

それも終業前。

 

あわてて特売品を牛乳で隠しましたが、ばれたかも。。。

 

あたる、あたらない

 

巨人がサヨナラ勝ちですね。うれし~。

っていうと、アンチ巨人ファンが怒っちゃいそうですが、

金子レディースクリニックはどこのファンでも大歓迎ですよ。

もちろんバレーボールを見ていた人も大歓迎。

 

今日はにおわない病院で当直です。

 

医療関係では、当直する人によってあたる、あたらない、

というのがあります。雨男、晴れ男みたいなもんで、

なんとなくその人が当直すると救急患者が多い、っていう

ことです。

 

けっこうみんなこういうこと言うのが好きなんですけど、

個人的には反対です。私なんか、どんどん来てほしい

と思っているので、いくら救急が来たってあたっているとは

思いません。ほかの人に言わせると私はあたるってことに

なっていますが、それは私が救急依頼を断らないからです。

 

運があるかどうかっていうのもその人の捉えかたひとつです

もんね。それなら何があっても、より悪いことを想定して、

ラッキーだったと思うほうが幸せってもんですね。

 

今日もたくさんの患者さんが来ますように。。。

なんか、不謹慎ですね、これは。

病院の場合、病院の仕事が増えるってことは苦しむ人が増える

ってことだから、なんかビミョーです。