またもや妊婦さんの脳出血の話題がありました。
わが調布で起こったこと。それほど頻繁にあるわけではないはず
ですけど、都内で続いたのでちょっと心配。
ただ、相変わらず、病院の受け入れ拒否、ということばかりに焦点
が当てられているのは残念です。
そのことについては書きはじめるときりがないので、ちょっと話を
そらして。
患者さんと医療側でトラブルの原因になるのは、医療に対して意識
のずれがあることがほとんどです。今回の報道にもそのずれが大きく
感じられます。
ところで、
「自分はこんなに体の不都合を感じている、だから全部治してください」
と言ってこられる患者さんがいます。それほど多くはありませんけど、
医療はそんなに完璧ではありません。
というより体は結局自分の力で治るのであって、われわれ医師はその
お手伝いをするだけ。できることとできないことがあります。
でも、自分の状態がすぐにぴしっと治らない、とわかると急に不機嫌に
なってしまうのです。こちらの説明の仕方が悪いのかもしれませんが、
正確な診断をして、正確な情報を伝える、あるいは正確な診断はできない
と正直に伝える、それしかやりようがないのです。
ですが、それ以上のものを求めている人には不十分。
それで医療不信、といわれることもあり、こちらからすると認識の差、
以上のものではないのですが、残念です。
「そんなの、勘違いしている患者さんが悪い」
と割り切れる医師もいますが、私はどうしてもひっかかってしまいます。
そのギャップをどうしても埋めたいと思っています。ですので、患者さんと
向き合って話し合うために地域医療に向かっていきたい、と思うのです。
こうしたずれを解消できるのはいつの日かわかりませんが、少しでも
いい関係を持てるようになりたい、と願っています。それが医療者側の
やりがいでもあるのですから。