仰天ニュース

 

ちょっと前のニュースですけど、アメリカで妊娠後期の中絶を

していた医師が射殺されました。

 

以下参照です。

http://www.asahi.com/international/update/0601/TKY200906010423.html

 

これ、仰天しました。

何が仰天、って妊娠後期で中絶するっていうところです。

日本だと立派な犯罪なので、逮捕されます。

アメリカでは犯罪ではないんですねぇ。。。

 

でも、妊娠後期で中絶する医者ってことで有名だったそう

なので、それなりに悪いことだ、っていう認識はあるんで

しょうね。

 

中絶問題が大統領選挙の争点の一つになるくらいだから

問題が起きるのも、さもありなん、というところでしょう。

射殺っていうのがまたショッキングですけど。

 

日本でもたまに医師が患者に刺されたりしてますから、

根柢のところでは変わらないんでしょうけどね。

 

産婦人科医にとって中絶は、避けて通れない問題で、

研修医のころはみんな悩むのです。それを自分なりの

言い訳(?)で乗り越えていくんですけど、それも

産婦人科医が増えない原因かもですね。

 

高齢の方のお悩みも

 

最近は雨続きでちょっとストレスたまりぎみ。。。

 

ようやく3カ月目に突入して、いろんな患者さんに来てもらって

ますが、患者さんのほとんどは20代30代。なかなか50代以上の

患者さんが増えずにいます。

 

以前の病院との違いにややカルチャーショック的なものを感じて

います。

 

お産をやっているというと、場違いと感じられてしまうのでしょうか。。

更年期障害や、子宮下垂などの骨盤臓器脱、がん検査も含め

ぜひともやっていきたいと思っています。

 

地域医療の面からも、長くかかわっていかないといけないですし、

高齢の方も本当に大歓迎なのです。

ただ、そういう方はなかなかブログは見ないでしょうねえ。

 

けっこう簡単に症状が良くなることが多いのです。詳細はまた

項を改めて。。

 

業務連絡(スタッフ募集休止)

 

スタッフ募集につき連絡です。

とてもありがたいことに、たくさんのご応募をいただきまして、

現在のところすべての職種において募集を休止しております。

 

ホームページ上での案内が消えておらず、申し訳ございません。

また、ご応募いただいたメールにはすべてお返事をしておりますが、

携帯メールなど、メールが拒否されることが多くあります。

設定の変更をされるか、または、正しいメールアドレスをご入力

いただきますようお願い申し上げます。

 

今年の秋から冬にかけて、また募集する予定ですので、

その際にまたご応募いただければと思います。

 

たくさんのご応募、重ねてお礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

保健所も下火に

 

雨が続いてます。。

ジョギングをしているので、食欲が出てしようが

ありません。雨で走る意欲がわかないと、どんどん

むくんでいくようで、コワいです。

そんな風に感じるのは、別の病気かも、、、

 

ところで、とうとううちにも発熱妊婦さんがきました。

ちゃんとしていらっしゃる方で、うちに来る前に保健所に

相談したそうです。そうしたら

「インフルエンザじゃなさそうだからどこでもどうぞ」

ってな具合だったそうです。

 

来てみると、38度の熱はあるし、頭痛、鼻水もあって、

どうやってインフルエンザじゃなさそうと判断したのか

わかりませんが、検査の結果は陰性でした。

 

問診が上手、っていうよりは、もう騒ぎすぎなくてもいいや

っていう感じでしょうね。

 

確かに騒ぎすぎてましたし。。

もうマスクの在庫が余っちゃってしかたない、っていう

ニュースもやってましたし、はやりすたりは怖いですね。

 

ちゃんと地に足付けて、ということでしょう。

診療も、ですね。

 

ミラクル?

 

出産第一号に続き、嬉しいニュースがありました。

 

今年の1月に、もともと里帰り予定だった人のお産が

ありました。1月ですから前の病院ですけれども。。

 

双子だったので、もともと要注意で、なるべく早めに

帰りましょうね、とお話していた矢先、

「腰が痛い」

と来院されました。なんかいやな予感。といっても

(里帰りできなくなっちゃうな)

という程度でした。

 

お腹を触るとやはり張ってきてしまっています。

入院はできなかったので、搬送先を探さなきゃ、と

思いつつ内診をすると、なんともう産まれかかって

いるのです!

このとき24週、赤ちゃんは600グラムくらいです。

しかも二人。

 

一瞬、絶望に襲われましたがすぐに気を取り直し、

方針変更、送っている暇はないので、その場で

出産をして赤ちゃんだけ運んでもらうことに。

 

お隣の成育は忙しいとのことで、都立八王子へ

頼むと相変わらず二つ返事でオーケー。ただ、

遠いので、1時間頑張ってほしい、とのこと。

 

もうすぐに産まれるところに来ているのに、あと

1時間!・・・つらいけど頑張るしかない、と

お母さんを励まし励まし、待っていました。

 

こんなに長い1時間はない、というくらいでしたが、

時間があったおかげで病院中の暖房をかき集め

外来を真夏の状態に。

赤ちゃんは寒さに弱いのです。

 

陣痛が来るたびに、赤ちゃんが産まれないように

手で押さえつけて、そのたびにお母さんは痛みに

耐えていました。

 

ようやく八王子の先生たちが登場、なんと4人も

来てくれました。ほんとに救世主です。

それよりちょっと前に、成育から一人やってきました。

あまりにかわいそうな状況だと思ってくれたのかも

しれません。

 

そんなこんなで生まれた赤ちゃんは、都立O病院の

NICUへ運ばれて行きました。O病院でもとてもよく

してもらって、何と昨日、無事退院となったそうです。

 

詳しくはよくわかりませんが、5月の退院なので、

ほぼ修正40週程度で退院したことになります。

ということは、後遺症などはほとんどなし、という

ことでしょう。

 

こんなことはほとんど奇跡的なんでしょうけど、

日々の進歩には驚かされますし、そういう場で

働いている新生児科の人たちがちょっと羨ましく

もあります。

現場はものすごい大変なので、こんなこというと

怒られそうですが。。

 

とにかく多くの人の協力に感謝です。

 

産まれた―!!

 

今朝、待ちに待った赤ちゃん第1号が誕生しました。

予定日が過ぎ、毎日がハラハラでしたが、無事、

おだやかに元気な赤ちゃんが産まれました。

 

お母さんが頑張って、お父さんが温かく見守って、

スタッフも温かく励まして、ワタシの好きな静かで

おだやかできれいなお産でした。

 

これで、病棟はもちろん、厨房までも活気づくこと

間違いなし。みーーんな笑顔です。

 

これから続くみなさま、一緒に素晴らしい体験を

共有しましょう!

スタッフ一同、心よりお待ちしていますよー。

 

死亡率など

 

このお題でほとんど書きあげたところで、飛びました。。。

また根気を取り戻して書いてみてます。

 

勤務医のころはがんの患者さんもたくさん見ていました。

そんなお話です。

 

婦人科の場合、けっこうな確率で治るので、すぐに告知を

してすぐに治療に入ります。

 

そこで気になっていたこと。。

 

がんになればそれはもう心配です。当然です。

そこでよく言われるのが

「がんセンターなどに行ったほうがいいですか?」

 

ワタシ「行きたいと思うのなら行ったほうがいいです」

といつも答えていました。

「ただ、行ったからといってたぶん結果は同じです」

と付け加えています。

 

というのも、婦人科のがんの場合(おそらくほかの

臓器でもそうでしょうけど)治療法はほぼできあがって

います。ガイドラインというものがあって、それにそって

やるだけ。

 

なので、主治医との信頼関係や、通院が困難でないか、

家族の協力が得られやすいか、などが病院を選ぶ

決め手にするべきです。

 

がんセンターなど、がんの専門病院は、なんとなく安心感が

あるし、週刊誌などでも5年生存率が低かったり、手術の

死亡率が低かったりします。

 

ですが、、、

もともとがんセンターなどは合併症のある患者さんを受け入れ

ません。それにだいたい、遠方からわざわざ通えるくらい元気な

人が多いのです。

なので、治る確率が高いのは当たり前。

 

そういう数字でごまかそうとするのが、週刊誌やテレビの

悪いところ。そうでもしないと売れないし、見てくれないのも

わかりますが。。

 

まずは、はじめの医師によくよくお話を聞くことが一番だと思います。

 

品切れ

 

インフルエンザの感染がどんどん広がって、関西の

方ではみんなマスクをしている姿がよくテレビに映って

います。

 

東京でもドラッグストアではマスクがすぐに売り切れる

状態のようですが、なんと、われわれ医療者が仕入れる

医療用マスクも問屋さんになくなっているんだそうです。

 

今日、ちょうど手術用、分娩用のマスクが少し足りなく

なったので頼もうと思ったら、在庫がない、ですって。

 

発熱外来とかやっている病院では山ほど買うんでしょうし、

それ以外の病院でも、職員だけでなくお見舞いの人にも

マスク着用をお願いしたりしてどんどん使っているから

のようです。

 

これで手に入らなくなってしまって、本当に必要な場面で

なくなっちゃったらどうするんでしょう?

 

花粉症の人とか、本当に風邪で喉がものすごい痛い人

とか、そういう人たちは大丈夫なんでしょうか。

 

大阪の橋下知事が舛添大臣に国の方針を緩めるように

言ってましたけど、本当です。だいたいマスクしているの、

日本だけみたいですしね。。。

 

医者の作家

 

自分が医者だからでしょうけど、医者が書いている読み物って

かなり気になります。

 

医者をちゃんとやっている人が書いたもの、もうほとんど作家で

医者としてはほとんど何もやっていない人などなどですが、

やっぱり現役でちゃんとやっている人、やっていた人が書いた

物のほうが断然面白いのです。

 

現役でやっている人はそうそう書けないですけどね。。

 

古くは森鴎外。

そして安部公房って思ったら彼は医者じゃないんですね。

わが大学の同窓ではありますが、卒業したものの国家試験は

不合格とのこと(Wikipedia参照)。

 

はじめにワタシが意識したのは渡辺淳一。

小説「白い宴」で、札幌医大の心臓移植がテーマですが、

医学部受験を目指して浪人していた時にはじめて医療ものを

読んで、医者になることの重圧を感じたことを覚えています。

 

最近は、海堂尊がベストセラーを飛ばしてますが、久坂部羊

も面白かったです。

ただ、なんといっても岡井崇「ノーフォールト」。

産婦人科医ということもありますが、現役バリバリの医師

なので医療場面の描写に迫力があります。

病院勤務時代に研修医に配り歩いていました。

 

そんななか、奥田英朗の精神科医・伊良部シリーズも

けっこうリアルで、この人医者かな~?って思ってたら

全然違いました。。。

こういうのもセンスですね。

 

インフルエンザ狂想曲

 

とうとう、新型インフルエンザが日本で発生したようです。

医師会でも対応のガイドラインが配られ、混乱のないよう

努めています。

 

ですが、、、

もちろんインフルエンザに罹られた方、それによって亡く

なられた方はお気の毒ですし、手当てが遅れたことは

とても残念です。

 

でもそれは毎年起こっていることで、今回の新型インフル

エンザに限ったことではありません。

 

今回のインフルエンザの症状は比較的弱いものであると

アメリカで発表もありましたし、全世界で大流行(パンデミック)

というほどの被害が出ているわけでもありません。

 

もっともっと多くの方が被害を受けている感染症もありますし、

感染症でなくても深刻な病気はたくさんあるのです。

 

初めてのことで「知らないことが起こっている」ということが

この大騒ぎにつながっているのでしょうけど、テレビが

一斉に番組を中断して、舛添さんの記者会見を放映する

のはちょっと違和感を覚えました。。

 

感染すればどんな症状が出るかもわかっているし、

感染しても対処法も分かっているのです。

 

起こっていることを正確に伝える、という本来の目的から

どんどん離れているようで残念です。