地鎮祭

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炎天下の中、地鎮祭を無事終えました。

地鎮祭なんて、初めて。住宅のものすら出たことありません。

 

なので、直前に宮司さん(ぐうじって読むんですって)から

レクチャーです。

宮司さん 「玉串(?)をささげ、2回礼して2回拍手を打って、もう1回

      礼してください」

ワタシ 「はい…」と言いながら頭の中で何度も復習。

 

私の順番は2番目。最初のオーナーさんの番のとき、

司会 「関係者は起立してください」

と声がかかり、玉串をささげる人はみんな立つのかと思って、すっくと

立ち上がりました。

すると司会の方が慌てて寄ってきて

「まだです、まだです」

 

おっと見回すとオーナーさんの親族などが立っています。

(あー、そういう関係者ですか。。。)

というわけで、ちょっと恥ずかしかったですが、自分の番はぱんぱんと

無難に終了。

 

そのほかにも鍬入れの儀式なんて、

「えいっ、えーいっ!、えーーーいっ!!」

って絶叫しながらやってましたし、こういう儀式は神聖なものなんで

しょうが、身が引き締まるというよりは興味津々でした。

 

そのあとは関係者一同、直会(なおらいって読むんですって)っていう

食事会があって、無事に事故なく建設が進むことを願ってきました。

関係者の方々にはとりあえずここまで来られて感謝感謝です。

 

もう明日から着工、楽しみです。

 

新車

 

今日もせっかくジョギングしたあとにジャンクフードに手が

伸びて。。。 ちょっと自己嫌悪。でもおいしかったぁ。

 

昨日、新車が届きました。購入から1ヵ月半、すごい待ち

時間でした。名車だから?、ではなく、海外から取り寄せた

から、でもなく、ガソリン代の高騰のせいですね、きっと。

 

車を買うのは3回目ですが、初めての黄色ナンバー。

開業前なので必要最低限の動きができればいいと思って

黄色にしましたが、いまどきは結構ハイテク。

 

手ぶらで勝手に鍵が開くは、離れれば勝手に閉じるし

半ドアでも勝手に閉まるし、、、

 

なんといっても燃費がいい。だから大人気なんでしょうね。

ほんとはディカプリオにならってプリウスが良かったんですが

そうとう高いんですよね、プリウス。

 

エコだなんだって言っても、要はお金がかかるんですよね。

お金をかけて環境を守るんだから当たり前ですかね。

お金かけるのがいやなら自転車にでもするべきかな。

 

最後はグチになってしまいました。。。

 

シンボルマーク

 

またまたとてつもなく暑くなってきました。本当の夏がやって

きてしまったようです。暑いのは苦手なので大変、家では

ほとんど上半身ハダカです。

 

ところで、金子レディースクリニックのシンボルマークは、

楕円形が飛んでいくイメージです。ブーメランのように映り

ますが、元に戻るわけではありません。

 

コンセプトは

“常に進化している”

ということです。

 

産婦人科、という性質上対象は女性限定になりますが、

決して妊婦さんだけというわけではありません。女性が

健康でいるためのお手伝いをし、そしてすべての女性が

社会で活躍していく足がかりとなれば嬉しいということ。

 

またそこに働く人たちも、常に新しいことに取り組み

新しい知識や技術を身につけ進歩していくということ。

 

そして常に新しい医療を提供するということ。

 

こんな気持ちをこめて、このシンボルマークにしました。

日々の医療はマンネリ化しやすいですが、そうならない

ように日々このシンボルマークを見て心を新たにして

頑張っていきたいと思っています。

 

ちょっとカタかったかな。

 

開業への道のり 11

 

成育医療センターでの新生児医療の様子です。

成育では新生児科専門のスタッフが7~8人、そのほかに

私のような産婦人科医や一般小児科医、初期研修を終えた

ばかりの後期研修医などが7~8人います。

 

スタッフクラスと研修中の医者が組になって指導を受けながら

日々の医療を行っています。また当直も必ず2人は泊まって

そのほかに2人が自宅待機になっており、とても手厚い体制に

です。

 

今までは成熟した赤ちゃんしか診たことがなく、未熟な赤ちゃん

はすぐに新生児科医にバトンタッチしていたので、とてつもなく

小さな赤ちゃんには触るのも恐る恐るでした。手のひらに収まり

そうなくらいの赤ちゃんに、点滴をいれ人工呼吸器をつけ、、、

 

すべての処置が繊細、使う薬剤も少しでも量を間違えれば命取り。

久々に感じるストレスでやや自信も喪失気味。そんな中スタッフ

たちは根気よくかつやさしく指導してくれました。

 

直接のオーベン(指導医)はシゲ先生。経験15年、脂の乗り切って

いるバリバリの新生児科医。新生児医療は医療機器の進歩とともに

日進月歩。その進歩についていけなければいくら経験があっても

遅れをとってしまいます。なので日々新しい論文を読んで研究を

怠りません。

 

さらに感銘を受けたのは

「指導するのは当たり前」

という感覚。どこの世界でもそうでしょうが、自分ができるようになると

自分ができなかった時代のことを忘れたのか、後進の指導など面倒、

という輩がいます。医者の世界でもきちんとした指導体制ができてない

ことも多く、技は盗め、理論jは自分で勉強しろ、ということが多いのです。

 

もちろんそれも正しいのですが、人の命を預かる職業、基礎を教え込む

ことは重要です。

 

さらに

「絶対依頼は断るな、ウチが最後の砦だ」

という強い責任感には感動しました。

ある日、近所の産婦人科医院から連絡がありました。生まれた赤ちゃんが

具合が悪いので診てほしい、というのです。

 

シゲ先生 「よし、行こう」

ワタシ 「はい、でもウチは満床では?」

シゲ先生 「そうなんだけど、いいんだ、とりあえず行くしかない」

そう言って赤ちゃんを迎えに行きました。幸いそれほど具合が悪く

なかったので一般の新生児室に入院させることができました。

 

ワタシ 「もし具合が悪かったらどうしてました?」

シゲ先生 「引き受け先を探すしかないよ、でもほうっておくのは

       できないでしょ。」

こんな具合に常に献身的に真摯に医療に向き合っていました。

それはシゲ先生に限ったことではなくスタッフの先生みんなに

共通するものでした。

 

医療の原点ともいえる責任感、研究心、奉仕の精神などに触れ

日々の忙しさに忘れかけていたものを思い出しました。新生児の

取り扱いなど技術的なことはもちろん、こうした気持ちを持ち直した

ことが、成育での一番の成果でした。

 

お父さんの目に

 

明らかに体に悪そうですが、ペプシブルーハワイなる飲み物を

見つけたためあまりのむし暑さに誘われ買ってしまいました。

いまどき珍しい、着色料青1、赤40。はっきり書いてあるところが

潔い。

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ビールは飲めないのでこれをやりながら当直です。

 

朝、破水で入院した妊婦さん、初めてのお産。自然に陣痛が

ついて苦しそうな声がもれ聞こえていました。お父さん(夫)が

ずっと付き添っていたようで、くたびれていたようでしたが必死

にお母さんを励ましていました。

 

順調に進んでようやく夜中になって分娩台に。

いままで苦しそうに声を上げていても、もう少しだと力が入り

直すのか、お母さんはきりっとした表情に変わっています。

 

「ふーーっ、ふーーーっ」

お母さんの息遣いが室内に響きますが、お父さん、助産師、

そして私と、お母さんと赤ちゃんを応援しようという暖かい空気

が流れています。

 

最後の力を振り絞って赤ちゃんが出てきたとき、

「おめでとうございまーす」

しばらくして

「うぎゃぁーーー」

赤ちゃんの声が聞こえるとようやくお母さんがほっとした声を

あげました。

「あーー、うまれたぁーー」

 

「ずずっ、ずずっ」

もうひとり泣いている人が。。お父さんです。

分娩室全体を幸せな空気が包みます。こんな瞬間が大好きで

お産はやめられません。また、多くの人とこんな幸せを共有

したいと願っています。

 

さらに願わくは金子レディースクリニックで。。。

 

 

リメーク

 

大雨の後でまだむしむししますが少し過ごしやすくなりました。

ちょっと暑さと雨は異常でした。

 

最近行きつけのTSUTAYAでちょっとした驚きがありました。

日本文学の古典を、表紙を変えて出版してまた売れ出して

いる、という話は新聞などで読んでいました。

 

表紙を売れっ子の漫画家に書いてもらって、一見すると

マンガかと思うような本で中身は全く変わっていないよう

ですが、よく売れているんだそうです。

 

しかーし、 下の写真は、、、

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ちょっと見づらいですが、左から夏目漱石の「こころ」、

太宰治の「人間失格」、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」です。

老舗、新潮文庫ですが3つともデザインが同じでまるで

シリーズもののようです。ただ、古典というだけでシリーズ

にするのはどうなんでしょう?まったく違う内容なのに、

これはちょっと方向が違うような気がしますが。

 

ま、なんでもいいんでしょうか。別に文学少年だったわけ

ではありませんが、ちょっとカルチャーショックでした。。。

たぶんご年配の方はもっと、ね。

 

本の話題でもうひとつ。

「夢をかなえるゾウ」水野敬也著

これがドラマ化されるそうです。ジャンルでいえば自己啓発

本で、去年の夏に出版されずっとヒットし続けているそうです。

 

開業準備の一環で読んだ本でめちゃめちゃおもしろかった

のですが、そういう本があとからヒットしてくると先見の明が

あったみたいでちょっと嬉しくなります。

 

読んで以来、掃除が少し苦にならなくなりました。そういう

本です。

 

開業への道のり 10

 

開業場所が決まって、あとは都の許可待ち、その間2ヶ月。

開業できると決まったわけではありませんが、腹は据わった

のでいままでやりたかったことをやることにしました。

 

それは新生児診療。

生まれたばかりの赤ちゃんは産婦人科医が診たり小児科医

が診たりしてけっこうばらばらです。最近は新生児科医も増え

てきましたが、まだまだ稀少品種。ちゃんと訓練を受けない

まま、大体の感覚で元気、元気じゃないとか判断していました。

 

やっぱり赤ちゃんもしっかり診断したい、という気持ちはずっと

ありましたので、同僚の小児科の先生にお願いして日赤と成育

のNICUを見学に行きました。

 

どちらも都内はおろか日本でも有数の新生児科医がいて

最先端の医療をしています。見学に行くと、どちらの先生も

喜んで案内してくれました。とてつもなくちーっちゃな赤ちゃんが

保育器に入ってずらーっと並んでいます。そして見たこともない

器械がくっついてまさに近未来。やや圧倒されて帰ってきました。

 

 

胸躍らせて返事を待っていると、研修枠の関係で成育に行かせて

もらうことになりました。

成育では驚きの連続でした。。。

 

まずお給料の安さ。就職以来最低賃金でした。勉強のために来て

いるんだから、と納得はしていましたが家賃すら出ません。貯金を

切り崩しての生活です。でもそれでも成育には全国各地から研修に

集まってきます。お金には換えられないやりがいがあるということです。

それにしても家賃すら出ないとは。。。

 

それから症例の多さ。医者が全国から集まってくれば、患者さんも

全国から集まってきます。教科書でしか見たことがないような病気が

次から次へとやってきて、度胸がつくというか驚きがなくなるというか、

感覚が少しマヒしてしまいそうでした。

 

しかしなんといっても一番の驚きは新生児科の先生たちのすばらしさ

です。

 

開業への道のり 9

 

さて、土地さがし、場所選びの続きです。

とにかく広さが律速段階になっているので、広さがあれば

まず見に行きました。国分寺、府中、国立、などなどです。

 

そんな折、

ノムさん 「調布にいいとこ、ありましたっ!」

とのこと。調布は中学高校の仲のいい同級生が住んでいる

街でなじみがあったので、期待も大きくすぐに見に行きました。

 

夜中に車を飛ばして見にいくと、一目で気に入りました。

 

街路樹の美しい甲州街道、うっそうと茂る深大寺の森、

近代的な調布駅周辺、新旧の住宅が立ち並ぶ様子は

産婦人科クリニックにふさわしい街並みだと思いました。

 

しかも、私の大好きなコンビニが隣にあるではないですか。

これならいつでも行ける!

 

これでほぼ心の中では決まりでした。あとはオーナーさん

次第です。とりあえず、病床申請のため仮の許可だけもらって

締め切りギリギリ3日前の7月28日に都庁に申請しました。

 

ところが。。。

これは後日談ですが、産婦人科と小児科に限っては今年の

4月から規制がなくなりました。いつでも開業、または既存の

クリニックや病院なら増床してよくなったのです。。。

もともと産婦人科や小児科は少ないので、規制から外れると

いうウワサはありました。しかし去年の時点ではいつ外れるか

予想がつかなかったのです。

でも、すごく気に入った場所が見つかったので、これはいい縁

だったと思っています。

 

 

さて、許可が下りるまで2ヶ月あります。この間に、まずは

オーナーさんにクリニックの許可を得なければなりません。

オーナーさんはもともと地元の名士さんで地域貢献に力を

いれておられるとのこと、それならば産婦人科クリニックは

うってつけ、とのこと、こころよく協力してもらえることになり

ました。

 

安全な産婦人科医療のために

 

今日は日本産婦人科学会の企画委員会がありました。

卒業後10年以内の若手医師を中心に今後の産婦人科

のあり方について、学会で企画を催すための委員会です。

 

産婦人科医は、減少の一途をたどっておりその歯止めと

なるべくいろんな企画が催されています。

 

現在は、医師数が減って、現役医師の負担が増え、

それに耐えかねてまたやめる、という悪循環に陥って

います。それに加え学生が新しく産婦人科を専攻しない

のです。

 

少子化が進む中、産婦人科に明るい未来がないと

感じるのか、産婦人科医の中で議論していても答えは

でません。なぜなら、産婦人科医は少なくとも魅力を

感じて産婦人科を専攻したのだから、魅力を感じない

のはなぜ?と言われても答えられません。

 

でもこのまま放置すると、必ず患者さんの不利益に

つながってしまいます。すでに首都圏以外では、

産婦人科診療を受けるために1時間も2時間もかけて

病院に通院している人がたくさんいます。

 

なんとかいい知恵を出したいと思っています。

このブログも、もし医学生が目を通して、少しでも

産婦人科医療っておもしろい、と思ってもらえれば

という気持ちも込めて書いています。

 

少しでも伝わって!!

 

サイダツ 2

 

(ふぉぉぉーーーっ!)

ワタシ 「っっっっっっっ」

助産師さん 「ひぇっっ」

 

全身からアドレナリン噴出、汗も噴出、尿道はなんとか閉め、

ワタシ 「吸引っ!」

すぐに吸引分娩用のカップを出してもらい、臍帯を押しやって

赤ちゃんの頭に装着、そこはさすがに経産婦さん、吸引分娩で

あっという間に生まれました。その間30秒、しかし、心音が

低下し始めた時から数えると約7分、臍帯が圧迫されていたの

かもしれません。

 

すぐに、ややぐったりした赤ちゃんを蘇生です。胎便という

赤ちゃんの便を吸っていたのですぐに吸引し、酸素をバッグで

送り込みます。すると30秒ほどで元気な泣き声をあげ、

白かった赤ちゃんも本来の赤みを取り戻してきました。

 

念のため赤ちゃんを保育器に入れ、モニタリング。少し酸素を

加えると落ち着いていました。

 

子宮の中はブラックボックス、とはよく言ったもので、何が

起こるかわかりません。何が起こってもよいように、準備が

大事だとあらためて思いました。物品の準備はもちろん、

心の準備も必要です。

 

産婦さんにはその場でゆっくりと説明できないときもありますが

あとからちゃんと説明しています。そういう緊急事態もお産には

つきものである、と少し心構えをしてもらえるよう、母親学級など

で伝えていければいいなと思っています。