暑さにやられ気味、息も絶え絶えです。
そんな中久しぶりに長時間の手術があってさらにぐったり。
手術はとても好きなので、手術室に入ると自然とテンションが
あがります。麻酔をかけてメスを切り込む、というあまりの非日常
が違う世界を見せてくれる、という感じです。
とはいっても外科医に比べれば婦人科医はぜんぜんです。
外科医は12時間とか24時間とか平気で手術しますが(平気
ではないかも)、婦人科医は5~6時間がせいぜい。1時間程度
の手術が多いので、1時間予定で始めて、2時間以上かかると
ぐったりします。
昨日は膣式の手術。お腹をばっさり切れば簡単な手術ですが、
それでは患者さんがかわいそう。そこで膣から切って取り出す
術式が婦人科では確立されています。
問題は膣が狭いこと。視野も手を動かす場所も制限された中で
いかに手探りで状態を把握するかがとても大事。また狭い場所
でも正確に手を動かす技術も必要です。
膣は赤ちゃんが生まれるだけあって、麻酔がかかるとけっこう
広がるんですが、昨日はほとんど広がらずさらに子宮がお腹の
中で腸と癒着していたりしてもう大変。。。
なんだかんだで2時間半ほどかかって終了。無理なときはお腹
を切って終わらせるのですが、よくぞお腹を切らずに済んだ、
婦人科冥利に尽きるというものです。心地よい達成感に浸りつつ
爆睡してしまいました。
ちなみに手術が好きといっても帝王切開はあまり好きでは
ありません。どうしても必要なときはありますが、最近はちょっと
でもトラブルがあればすぐに帝王切開、という風潮があって、
帝王切開さえしておけば結果がどうあれ訴えられない、訴え
られても負けない、という雰囲気です。
分娩はどういう経過であったか、きちんと評価するシステムが
必要です、、、これはまた長くなりそうなので別の日に。