帝王切開 1

 

久しぶりに医療についてのお話です。

妊婦さんから質問があったり説明会でもちょっと聞かれましたので

帝王切開に対する私の思いを少し。

前にもちょこちょこ書いてますけどね。。。

 

今の日本の帝王切開率は15%くらいです。早産とか高齢での合併症

のある妊娠なんかが増えているので、クリニックで扱うような分娩では

10%弱かな、という印象です。あくまで印象です。。

 

よく問題になるのは、逆子、前回帝王切開、双子です。

これ以外のものは帝王切開をすることにあまり議論はありません。

この3つはだんだん帝王切開されることが多くなってきています。

 

理由は、逆子の場合帝王切開のほうが普通分娩よりも赤ちゃんに

危険が及ぶ確率が低い、というアメリカでの論文が出たことです。

前回帝王切開についてもアメリカで帝王切開すべき、という論文が

出て、それが否定される論文が出たにもかかわらずその名残がある

ため、双子については、二番目の子が分娩時に逆子になることが

ときどきあるから、です。

 

あとは訴訟の問題です。

赤ちゃんに障害が残ろうが残るまいが、帝王切開していれば

全力を尽くしたとして医療側が負けることはあまりないのに、

普通分娩の場合、それに固執したからだ、と医療側が負ける

ケースが多いためです。

 

こうして、10%程度が帝王切開になっています。

でも、私はそれは本当に必要なものなのだろうか、という疑問を

いつも持っていますし、産科に携わるならそのことを常に考えて

いるべきだと思っています。

 

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このページは、金子英介が2008年12月29日 16:29に書いたブログ記事です。

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