お金とやりがい

 

久しぶりにブログを読んだという外来のミユキさんに、

「トーンがずいぶん暗くなっちゃったね」

と言われてしまいましたが、別に元気です。いたってポジティブです。

 

4月1日に開院が決まりましたが、4月3日に学会のシンポジウムを

開催するという大仕事も待っています。

テーマは

「産婦人科医が元気になるために」

 

このテーマがネガティブなのかな。。。

 

最近よく報道されるように産婦人科医は減っているのです。男性に

限ればその減り方は異常です。20年前は毎年300人くらいの男性

産婦人科医が誕生していましたが、今はおそらく100人を切ってい

ます。

 

人が減ると給料を上げればいいんじゃないか、っていう話があって

都立病院では産婦人科医の給料が3割程度アップしました。

でも人数は増えません。

 

当然、って思います。

 

今の勤務医の給料が適正かどうかはわかりませんが、人が増える

まで給料を上げ続けるのは無理です。

それよりもやりがいを持って働ける職場環境を作れば、人は集まる

はずです。忙しいから人が集まらないならそんな人は医者に向いて

いません。

 

今の医者の勤務の中で問題なのは、評価するシステムがないこと

です。患者さんからの評価、というものはあります。ですが、それは

ごく一部の有名になった医者だけで、それも本当に腕がいいのか、

マスコミへのアピールがうまいだけなのかわかりません。

 

多くの医者はお互いに評価するシステムがないのです。専門医

なんていうのはほぼ形骸化しており誰でも取れます。しかも臨床の

腕とは関係ありません。これは産婦人科に限っての話、ですよ。

 

お互いの評価がないということは、患者さんにとってはテキトーな

医者ができたら困る、ということになるし、医者にとってみれば

自分がどの程度の知識、技能なのかを確認できないので、漠然と

不安でもあり目標設定が難しいのです。評価されることがないから

そういう意味でのやりがいを感じにくい。

誰だって褒められたい、それは医者も同じです。

 

きちんと評価できるシステムができればいいな、と思って、そのため

には何が必要なんだろうかと、開業準備の合間に考える日々です。

 

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このページは、金子英介が2009年1月17日 21:55に書いたブログ記事です。

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