患者奪い合い?

 

梅雨明けなのに結構雨が降ってて、ようやく今日は

いかにも夏な感じになりました。

クーラーの中にずっといて、それなりに夏を感じています。

 

一時のお産難民とか、産科救急のたらい回しとかの報道が

収まってしまって、テレビなんかで産婦人科のことが取り上げ

られることがほとんどなくなってきました。

これがフツーなんですけどね。。

 

かといって、産婦人科医は別に増えたわけでもなく、その傾向が

見えるわけでもなく、現場は変わりません。

 

でも、ちょっと違和感があるのは、産科が潰れるのはどうも

他に原因があるんではないかと思うのです。

 

もちろん医師が少なくなって派遣できなくなって困るところも

あるんですが、出産の数が減って、採算割れをするからと

いうところも多いのです。

 

お産を扱う場合、24時間対応なので病院では最低でも3人

くらい医師がいないと成り立ちません。そうすると出産の数が

ある程度ないと赤字になってしまうのです。

 

今はベビーブームのころと比べると、出産の数は6割くらいに

なってますから、以前と同じだけの医師の数が確保できない

のです、経済的に。

 

もともと規模の大きかったところは少し縮小すればいいですが

小さくやっていたところはそういうわけにはいきません。

 

というわけで地域によっては、出産を奪い合うような現象も

起きています。開業医で扱うようなローリスクの出産でも

大病院ではその収入源として期待されています。

それは患者さんだけでなく、助産師もその奪い合いの対象に

なっています。

 

院内助産院なんてときどきメディアに出ていて、本来効率の

悪いことはなはだしいのですが、助産師には安心して力を

奮えるので魅力的な施設なのです。

 

患者集め、助産師集めのための院内助産院設立などを

総合病院、ましてや大学病院なんかでやるわけです。

 

そうしないと経営が成り立たない、ということが大本の

原因なんですが。。。

 

ワタシも今年の学会で、産婦人科医減少を食い止める

ために、なんていうシンポジウムもやりましたが、こんな

話を聞くとどこで本当に困っているのかよくわからなく

なってしまいます。

 

現場はそれなりに忙しいんですけどね。。

 

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このページは、金子英介が2009年7月26日 16:22に書いたブログ記事です。

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