人格者

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年末年始の休暇が明けて、ようやく日常が戻ってきました。

ワタシにとっては、待ちに待った正月明け。というのも、

別にお正月だからといって特別のんびりできるわけでもなく、

それよりも年末と年始の外来の混雑を考えると結構ブルーに

なります。。

(お待たせしないようにガンバリマス!)

 

ところで、去年の暮れに緊急事態で杏林に大変な重症患者さんを

お願いしました。

3日くらいは生死の境をさまようような感じで、お見舞いに行って

笑顔を見たときは腰が崩れそうな安堵感がありました。

ホントによかった。。

 

そんなことで、杏林の先生たちにかなり頑張っていただいたので、

新年の挨拶を兼ねて教授に会ってきました。

 

こちらはいつ呼び戻されるかわからないので、アポなしの

突撃訪問。

 

教授室のドアをノックするも返事はありません。

もたもたしてると呼び戻されるかもしれないので、失礼ながら

えいやっとドアを開けましたが、誰もいません。

 

そこへ秘書さんが帰ってきて、

秘書さんかな~っと思ったところで、あちらから

「金子先生ですか?」

 

秘書さんにまでは面が割れてないつもりだったので驚いていると

「ちょうど今、先生のブログ読んでたところでした」

 

「!!!」

なんと意外なところに読者がいるもんです。

 

それがまたチョー親切なことに

「教授、呼びましょうか?」

「いえいえ、ご挨拶だけですからあまりご迷惑になるといけない

ですし。。。」

なんて言ってる間にもう呼び出してます。

 

待つこと1分、すぐに教授が現れました。早っ

 

「昨年は大変なご迷惑をおかけしました」

「いやいやああいうのはしょうがないんだよ。そんなに気にすること

ないよ」

 

うぅ、なんてやさしい。。

ワタシに落ち度はあまりなかったという自信はありながらも、かといって

患者さんが大変な状態になったことに対して、無力感というか、結果に

対して申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、救われました。

 

こんなとき、たいていの医者は嫌みのひとつも言うもんです。

「これだから開業医は。。」みたいな。。

教授自身も外出先から飛んで帰ってきてくれて手術をしてくれたのに。。

 

産科は本当に急変が起こりうる、ということを実感を持って感じて

おられるのと、ワタシのように地域の第一線で働くものの気力を

削がないように、との気遣いをひしひしと感じました。さすがです。

 

。。。。

その後、教授に連れられ、病棟の先生にも挨拶に行ったところ、

そちらからは、

「なかなかヘビーな症例で。。。」

とつい本音が。。

(やっぱそうですよね。。)

すかさず教授は

「そんなことねぇよ、大したことない!」

と一喝。

 

あくまで人格者。感謝感謝でした。

 

このブログ記事について

このページは、金子英介が2011年1月 6日 01:06に書いたブログ記事です。

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