2008年6月アーカイブ

ベテランの力

|

 

この週末、陸上の日本選手権で為末、朝原の両ベテランが

輝きました。ちょっとばかり大学時代に陸上をかじっていた

せいで、陸上の話題は気になります。

 

とくに為末は直前まで不調と言われもうオリンピックは無理だ

と言われていたのに。。

本人も「奇跡が起きた」と言ってましたが、決勝レースは感動

しました。不調の中、前半から激しく飛ばす彼のスタイルを

貫き通し、最後の直線は第一人者の意地と気力を見せつけた

ような走りでした。

 

生で見られなかったのが残念。。。

 

ただ、これは日々の練習の裏付け、昨年の大阪での失敗に

対するリベンジの気持ち、そんなものがあらわれて成し遂げた

「奇跡」、と感じました。

 

ベテランと言われますが、私とほぼ同年代。計り知れない

プレッシャーに若いころから耐え続け、ここぞという時にこそ

力を発揮することができる人間力が養われたのでしょう。

 

私もがんばろっと、と言いながら、今日はCHANGEでした。。。

 

 

この週末は、松本で母乳育児学習会に参加してきました。

松本におそらく助産師さんを中心に小児科医、産科医が

約1000人集まって母乳育児に対する勉強をしました。

 

080628_0952~01.JPGのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

母乳は粉ミルクに比べ利点がたくさんある、という主旨で

感染予防、母子の愛着形成、というのが根拠だということ

でした。

 

これは今のおばあちゃん世代がこどもを産んだとき、結構

粉ミルクが流行ったのをいまだに引きずっているところが

多いらしいのです。

 

私が学生の頃にはもう母乳の利点が言われていました

から、勉強会の内容は自然に受け入れられるものでした。

ちょっと難を言えば、母乳にこだわりすぎて粉ミルクは

絶対禁止、みたいに聞こえるところもあったところでしょうか。

 

母乳で育てたいのはやまやまだけど、仕事があったり、

母乳が出なかったりする人もなかにはいるのだから、

まあできれば、くらいのスタンスのほうがいいのでは

ないか、と思いました。

 

WHO(世界保健機構)はさかんに推奨しているようですが、

発展途上国で粉ミルクが清潔に作れないような場所を

想定して、それなら絶対母乳がいい、という意見はわかり

ます。いまの日本ではちょっと状況が違うかな、という気が

しました。

 

 

ところで、松本に行ったついでに諏訪によって古い友人

をたずねました。諏訪、ということで何かと話題の

諏訪マタニティクリニックを見物してきました。

 

080628_1838~01.JPG

 

 

 

 

 

 

思ったよりハイカラ。いつも畳の部屋で正座して

記者会見しているものだから。。。

 

久々に続きです。

さて、タカヤ先生にノムさんを紹介され、開業がぐっと現実味を

帯びてきました。

 

ノムさん 「まず開業するにあたり先生の理念を言葉にしてください」

ワタシ 「はぃ」

 

そう言われるとなかなか恥ずかしい。こうしてブログに書いてますけど

理想とか夢とかって、人に説明するとなるとどうも青臭くなって恥ずかしい。

やっぱり理想はなかなか実現しないので、日々理想と現実の折り合いを

つけながら診療しています。だからちょっと無理かなって思う部分も

あるんですけど、でもやっぱり理想は捨てられない。でもそれを他人に

説明するとなると、うまく伝わるか、とか、思いっきり否定されるんじゃ

ないか、とか。。。

 

しかし、他人に言わなければ誰も理解してくれない。しかも開業するなら

同じ気持ちの人と働きたい。そこで、勇気をもって、、、

 

ワタシ 「自分の力が及ぶ限り、自分で診た患者さんはずっと診たいんですっ!

      病院ではしたくてもしてあげられないことをしたいんですっ!」

ノムさん 「あ、そんなんでいいです」

ワタシ 「どうも。。。」(あ、何でもよかったわけですか。。。)

 

ま、言葉にしておくってことが大事なことだそうです。

そこで生まれたスローガンが

"女性のトータルライフをサポートする"

です。ただでさえ通いにくい産婦人科、快適な空間とおもてなし、ベストの

医療を提供できれば、女性が気軽に自分の体の手入れをし、そして社会で

活躍する、そんなお手伝いができれば、という気持ちを込めました。

健全な精神は健全な肉体に宿る、ですね。

 

続いて、開業予定地を探す作業に入ります。

すでにマーケティングはできているので、っていうか、東京の市部では

どこでも分娩施設が足りないので、どこでもいいっていう感じでした。

あとは私の希望する大きさの土地があるかどうか、そして、連携する

高次医療機関があるかどうか、これが問題です。

 

地域医療連携

|

080608_0833~01.JPGのサムネール画像のサムネール画像

 

ここのところ、こんな話ばっかりです。

産科医療再編成に向けて、ほぼ連日いろんな

ところで会合が開かれています。

 

今日は、世田谷、目黒、渋谷地域の連携についての会がありました。

この地域の無床診療所ってものすごい数あるんですね。ひと地域

20個以上はあるんじゃないでしょうか。人口もとんでもないから、

それでもどこもそれなりに忙しいそうです。

 

調布は市内に全部合わせても10個以内、分娩取扱いはごく少数も

含めても3つ程度です。

 

ちょっと状況は違いますが、方針としては大体固まってきているようです。

各病院、診療所で見ている妊婦さんが診療時間外に受診したい場合、

当番を決めておく、ということだそうです。まずそこで判断して、必要なら

病院に搬送するという手続きをとるそうです。

 

そうすると月に2回程度当番をこなせばいい、ということだそうです。

で、そのために共通のカルテを作って妊婦さんに持っていてもらう

ようにするそうです。

 

でも、産婦人科って文字通り産科も婦人科もあるから、当番から

はずれても完全に拘束されない、ということではないですよね。

婦人科の患者さんに対しては当番制はとらないわけですから。

 

多少なりとも負担が減れば、というところからのスタートでしょうか。

ここに至っては、まずはスタートすることが大事、ですね。やって

みないといい点悪い点、わかりませんもんね。

 

早ければ来年にはスタートしたい、ということです。

「産科医療崩壊の」解決への一歩になることを願って。。。

 

 

静岡県富士市で産科開業に最大1億円助成とのことです。

市立病院の撤退が決まっているそうで、緊急で条例を可決

したそうです。すごい危機感。。。

 

ところで、最近体調良好です。1年前からはじめたダイエット、

落ち着いてます。リバウンドしません。そういえばランニングも

続いていますが、秘密はそれではありません。ランニングは

むしろ太ります。

 

1年前から比べると、4~5kg減ってます。ランニングや筋トレ、

もちろんビリーもやりました。どれもすぐにリバウンド。

成功の秘訣は、

新潮新書、岡田斗司夫著 「いつまでもデブと思うなよ」

です。いろんな番組で取り上げられましたが、やっぱりいい。

 

ほんとに書いたものをメモするだけでいいんです。メモして

みると、こんなに食べたのかと確かにうんざりします。

慣れてくると腹八分目の快感、満腹のときの不快感が

はっきり感じられて、今はもうメモは要りません。

 

体調がいいとランニングしても気持ちいいです。実はもう

6月、走行距離54kmになりました。

 

建築許可

|

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像のサムネール画像

またまた前進です。

設計図面の確認申請が終了、無事許可された

とのことです。申請から約2ヶ月、思ったよりは

早い許可でした。

一番ひどいときは3ヶ月から4ヶ月とかかかったり

していたみたいですから、よかったです。設計士さん、オーナーさんの

ご尽力のたまものです。ありがとうございます。

 

いまは、既存の建物を取り壊していて、整備が済めばすぐに着工と

なります。いよいよ本格始動、です。

 

こちらは医療器械の選定に入りつつあるところですが、同時に業務の

流れを徐々に決めていく作業に入ります。いろんな病院、クリニックの

マニュアルを参考に、一番快適なものを作っていこうと考えています。

わくわくしちゃいますね。

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像のサムネール画像

来週はずっと雨、むしむししますね。

 

先日低用量ピルが保険収載されました。

子宮内膜症の病名で保険がきくように

なったのです。

もともと低用量ピルは避妊薬なので保険適用されていません

でした。ただ、現場では避妊のためと同じくらい生理痛とか

生理不順のために使われています。

 

それだけ効果があるということが実証されているのに、自費に

なって患者さんの負担が高い、というのは問題でした。それが

ようやく保険適用になって解消される、と思いきや。。。

 

なんと薬価がバカ高く332円、ということは3割負担で110円、

21日間飲むからそれだけで2310円、自費扱いの時とほとんど

変わりません。薬局によっては自費のほうが安いかもしれません。

 

こんなことになってしまったのは、製薬会社の思惑が働いたとか

働かないとか。働いたに決まってますけど。。。

 

保険適用で医療の正当性が保障されるからいいではないか、

ということらしいですけど、誰のための医療かって話ですよね。

 

080618_1644~01.JPG

 

後輩の産婦人科医が出産しました。

予定日をだいぶ過ぎ、子宮内で少し感染が

進んだとのことでしたが、無事元気な赤ちゃん

が生まれました。おめでとうっ!!

 

仕事熱心だった彼女もすっかり母親の顔を

していました。

「これからの産科診療にこの経験が生かせそう」とのこと、

今までも信頼の厚い医者でしたが、ますます厚みを増していい医者に

なるんでは、と思いました。

 

ただ、なかなか今までのようにフルタイムでの現場復帰は当面

難しそうです。これは産婦人科医だけに限った問題ではないですが、

産婦人科は女性の割合が多い、当直必須、という特殊事情から

こうした問題の影響をもろに受けやすいです。

 

こうしたことで、ただでさえ少ない産婦人科医がますます減って

いきます。対策を考える企画があちこちで行われていますが、

特効薬はありません。どうしたらいいでしょう??

 

パート勤務もフルタイムで頑張っている先生たちに気を遣うので

乗り気しない、とのこと、その気持ちも十分わかります。

 

社会全体の問題も含まれるので、個々の病院、業界だけの

対応では追いつかない問題がたくさんあります。

おまけに、医療業界はほかの診療科に興味がないことが多く

院長が産婦人科医でないと適当にあしらわれて、崩壊してから

気づくみたいなことが多くなっています。

 

いい知恵を貸してください。。。

 

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像のサムネール画像ちょうど今から1年半ほど前、キー先生と一緒に

近隣の開業医の先生との会合に行きました。

そこには5人ほどの開業医の先生が来ていましたが、

みなさん、そろいもそろって人当たりがソフト。

一見してすごく親しみやすい先生たちです。

(ああ、さすが、開業するとぱっと見ただけで人を安心させるなぁ)

なんて思いました。

 

その中でもいちばん最近に開業したタカヤ先生にちょこちょこと走り寄り、

ワタシ 「先生、どうやって開業したんですか?興味あるんです」

タカヤ先生 「あ、それならいい人がいるからぜひ紹介させてください」

ということになり、

数日後、さっそくお誘いのお手紙がきました。

 

指定の場所に行くと、雰囲気のある料亭風の場所。こちらはジーンズに

Tシャツでいかにも場違いな感じ。

なんとなく居心地悪い感じで待っていると、タカヤ先生が現れました。

タカヤ先生「お待たせしました」

つづいて、後ろの男性が腰を90度に曲げ

「お世話になりますっ!」

KYな(ちょっと古い)感じのでっかい声で叫びました。

 

度肝を抜かれるワタシ。。。 その人物がノムさんでした。

さらに、、、

ノムさん 「先生は練馬の出身ですよね」

ワタシ 「そうですが。。。」

ノムさん 「学生のころマラソンを走ってましたよね」

ワタシ 「はい。。。」

ノムさん 「サスケにも出てましたね」

ワタシ 「。。。」 

初対面なのに、なぜか私のプロフィールを知っています。

(何者??、ちょっと怖っ。。。)

 

つぎに、ばぁっと東京西部の地図を広げるとなんと出生数と産婦人科の

所在地と取り扱い分娩数が書かれています。それをもとに、ここなら

需要がある、ここでも大丈夫、などと教えてくれます。

さらに、月に何件分娩を扱ったら、何人助産師さんが必要で、収支は

これくらいで、、、と具体的な話が次から次から出てきます。

 

自信たっぷりの話し振りと、正確な(と思われる)情報にワタシの心は

がっちりと鷲づかみにされてしまいました。そしてあっという間に開業が

現実味を帯びてきました。

 

竣工??

|

080616_2159~01.JPG 080616_2303~01.JPG

 

 

 

 

完成予想の模型ができました。正面はガラス張りで

かなりカッコいい。。。

色味はちょっと変わりますが雰囲気はこんな感じに

なると嬉しいです。

私の苦心の作です、、、ウソです。

 

設計士さんが作ってくれました。この設計士さん、

今までの作品もかなりオシャレで、いいものができ

あがると期待しています。

 

コンセプトはsimple & comfortable

美術館、図書館のような落ち着きとシティホテルの

ような快適さを取り入れ、決してゴージャスに走る

ことなく快適な医療環境を目指しています。

 

お楽しみに!

 

救急医療

|

 

宮城の地震で山がそのまま崩れた映像は衝撃でした。

中国とか阪神のときは建物とか道路の崩壊が目立ちましたが、

山ごと崩れては。。。

 

地震速報が機能した、とか、電車が自動的に止まったとか、

人工的なものの地震対策は進んでいるようですが、地面ごと崩れたら

どうしようもない。

 

まだ行方不明の方が多くいるようです。現地では必死の救出作業、

救急医療が行われているものと思います。

 

産婦人科って病院にいると、めったに救急蘇生の現場に立ち会うことは

ありません。気管挿管とか心臓マッサージとかは救急科、内科、外科が

担当しています。

 

2年前に新幹線で心肺停止の状態の人に遭遇しました。学生時代の記憶を

頼りに救急処置を試みましたが、結局亡くなってしまいました。あまり自信が

なかったので、動き出しが30秒遅かったのではないかと、今でもときどき

痛恨の思いにかられます。その後、救急処置の講座を受けなおし、新しい

建物に入るとAED装置の場所をを確認するようになりました。

 

秋葉原での事件でも産婦人科医が救急処置に当たったそうです。そんな場面が

起こっては困りますが、常に心構えをしておくことが重要、ですね。あらためて

そう思いました。

 

どうしても傍観者になってしまいますが。。。

一刻も早い救出を祈ります。

 

 

080608_0833~01.JPGのサムネール画像

 

 

 

 

 

関東中央病院での仕事もだんだん落ち着いてきました。

外来、入院、手術、なんとなくペースが決まってきています。

まだまだ余裕があるので、物足りないのですが。。。

 

しかし、、、

今日のジリさん、頼もしく見えました。

ジリさん「今日ちょっと忙しいんだけどね、もう、行けますよ」

ワタシ 「ほんとですか!?」

ジリさん「まだ内緒よ、おおっぴらにはまだよ」

 

でも表情が違いました、今日のジリさんは。

いよいよ、始まります、関中でのお産が。

私の執念が(というほどのものでもないですかね)

もうすぐ実りそうです。

 

 

9月に世田谷で成城マタニティクリニックが開院します。

まずはスタッフが続々集まっているそうです。

 

院長先生は関東中央病院で毎週水曜日外来に来てくれて

いますが、とても親切丁寧で穏やかな先生です。

分娩希望の患者さんも、検診にいらしています。

 

まだ建物は覆いがかかっていて全貌は見えませんが、

おしゃれな建物ができそうです。完成の暁には患者さんも

ぐんと増えるのではないかと思っています。

 

世田谷もお産を扱う場所が少なくて、新しい施設ができるのは

何十年ぶりっていうレベルだそうです。

 

自分の半年後を想像しちゃいますので、なんかどきどきします。

早く地域の皆さんに浸透するよう、ささやかながら応援しています。

 

麦門冬湯

|

 

麦門冬湯 バクモンドウトウ 

080611_2124~01.JPG

 

咳止めの漢方です。咳止めの

薬ってどれもイマイチでびたっと

止まることはほとんどないです。

風邪が治ると自然に治るって

感じです。

 

ところが、、、

私、喘息持ちでたまに大きな発作が出るんです。一昨日

昨日ときつくて、風邪とからんだせいもあって難儀しました。

前はステロイドの吸入を使っていましたが、ここ2年ほど

出ていなかったので捨ててしまっていました。

そこで、薬箱を漁っているとそれは古い麦門冬湯が出て

きました。

 

まあ、のんでみるか、

とのんだら、ピタッと咳が止まるではないですか。

3年以上前の薬で熟成されたのか(そんなわけない)、

気のせいか、

麦門冬湯、恐るべし。

前はそんなに効かなかったはずなんですが。

 

漢方、なかなかやりますな。

 

5割5分の男

|

080608_0833~01.JPG

 

 

 

 

 

今日は雨かと思いきや、午後晴れましたね、

雷がすごかったですが。

 

さて、5割5分の男は現病院の事務長、ジリさんです。イチローでさえ

4割には満たないのですからかなりの高打率。

このジリさん、かなり人がいい感じで、医療に対しての理想も高いの

です。

 

今日もお産の再開について話し合ってきました。婦人科は手術の

予定も埋まってきて、盛り上がってきていますので、お産さえ再開

すれば、という状況です。

 

ジリさん「地域のことを考えても病院のことを考えても、早くお産を

     再開させたいですよ」

ワタシ 「なら、始めちゃったほうが早いんじゃないですか」

ジリさん「それも考えないわけではないんですがねぇ」

ワタシ (これ、本気かね?)

 

外来に戻って看護師のミユキさんに相談。

ワタシ 「ジリさんっていいこと言うけど、どれくらい実現しますかね」

ミユキさん「まあ、五分五分ってとこですよ。いいとこ5割5分ですね」

 

うーーん、ミユキさん、厳しーっ。

まあ、いい人だから、もう少し待ってみましょうか。

 

ちなみに金子レディースクリニックの事務長は有言実行、9割5分です。

つきあい33年ですから、はい。

 

 

 

しばらくぶりの続きです。

 

常に患者さんのそばにいよう、公私混同しよう、という発想で、

開業への決意を固めました。

 

どこで開業するのか、開業には何が必要なのか、お金はいくら

必要なのか、まったくわかりません。

 

そこでまずは一刻も早く開業できるだけの医療技術と知識を

つけようと思いました。ユキオ先生からも手術のやり方や、

異常分娩の見分け方、逆子分娩、鉗子分娩などたくさん

教わりましたが、さらにひとり立ちを目指して小平市の病院に

異動しました。

 

そこでは、第3の師匠、キー先生に出会います。

キー先生は良くも悪くも放任主義、こちらの思うとおりに

やらせてくれますが、最後の後始末までこちらでやるように

ということで、ひとり立ちするには抜群の環境でした。

 

婦人科手術の最高難度、広汎子宮全摘という手術が

あります。当時、手順は覚えているもののまだ自分ひとりで

できるものではありません。手術は手順さえ覚えればいいって

ものではなく、それぞれの患者さんによって微妙に癒着して

いたり、解剖に個人差があったりしますので、突発事態に十分に

対応できないといけません。

 

最初のうちは第一助手でサポートしてくれましたが、そのうち

第二助手にみずから下がってしまいました。第一助手をうまく

使うのも術者の力量ですから、そこを見てくれているのだな、

と思いきや、手術中ほとんど眠っています。

 

太っ腹、大胆、テキトー大臣、無関心、どれが当てはまるのかは

いまだによくわかりません。

 

一事が万事そんな感じですから、いやでも独立心が身につきます。

ちなみにキー先生と若いころに一緒に働いた先生たちはみんな

出世しています。きっと早いうちから独立心が身についたからでは

ないかと思っています。

そういう意味では、名伯楽、とも言えるでしょうか。

ん、言えるんですか?

 

そんな中、医療技術や知識だけでなく、当然患者さんとのトラブル

でも一人で対処しなければならず、だいぶ鍛えられました。

ときには冷たい視線を向けられ、ときには罵声を浴びせられながら

学びました。

 

嘘をつかないこと

悪いことは悪いと認めること

常に患者さんの目線を忘れないこと

 

こんなこと当たり前なんですが、すごーく難しかったです。

今でも毎日肝に銘じていることです。

 

そしてまた、日々勉強は続けなければいけないこと、

そして勉強は人に教わるのではなく、自分で学ぶもの

だということも実感しました。

 

そんなこんなで毎日を忙しく過ごしているうちに、いよいよ

ノムさんとの出会いがありました。

 

 

特売品

|

 

そういえば、今日はサミットで(洞爺湖ではありません)、

またもトクさん(外来の看護師さん)に会ってしまいました。

それも終業前。

 

あわてて特売品を牛乳で隠しましたが、ばれたかも。。。

 

 

巨人がサヨナラ勝ちですね。うれし~。

っていうと、アンチ巨人ファンが怒っちゃいそうですが、

金子レディースクリニックはどこのファンでも大歓迎ですよ。

もちろんバレーボールを見ていた人も大歓迎。

 

今日はにおわない病院で当直です。

 

医療関係では、当直する人によってあたる、あたらない、

というのがあります。雨男、晴れ男みたいなもんで、

なんとなくその人が当直すると救急患者が多い、っていう

ことです。

 

けっこうみんなこういうこと言うのが好きなんですけど、

個人的には反対です。私なんか、どんどん来てほしい

と思っているので、いくら救急が来たってあたっているとは

思いません。ほかの人に言わせると私はあたるってことに

なっていますが、それは私が救急依頼を断らないからです。

 

運があるかどうかっていうのもその人の捉えかたひとつです

もんね。それなら何があっても、より悪いことを想定して、

ラッキーだったと思うほうが幸せってもんですね。

 

今日もたくさんの患者さんが来ますように。。。

なんか、不謹慎ですね、これは。

病院の場合、病院の仕事が増えるってことは苦しむ人が増える

ってことだから、なんかビミョーです。

 

 

アレルギー?

|

 

昨日は久しぶりに爆睡です。10時間は寝ました。

でも寝すぎて今日もだるかったです。

 

火曜日は恒例で、ある病院で当直しています。

医者の当直部屋っていうのは大体6畳くらいで、

ベッドとテレビがあって、っていう感じですが、

そこの病院は空いている病室を当直のために

あけてくれています。

 

特別室みたいでだいぶ広くてとても快適なのですが、

普段泊まる人がいないせいか、なんかほこりっぽくて

部屋に入ると咳と鼻水が急に出てきます。

しかもなんかワキガっぽいニオイもして、なかなか

寝付けないんです。

その病院の人には言えませんけど。。。

 

おかげでおとといは寝不足、昨日は爆睡、といった

具合です。

 

今日は緊急オペもあったりして、今週は走れてません。

明日こそ。

 

 

大学時代の同級生と飲みに行ってきました。

ひとりは内科医、もう一人は眼科医です。大学に

入ってからのつきあいなので、もう15年くらいに

なります。

 

ひとりは厳しい不妊治療の末にもうすぐパパになり

もうひとりはつい先日離婚しました。

一見ビミョーですが、そこは学生時代からの友人

です。言いたい放題言い合って、離婚した彼も

元気に帰って行きました。

 

おたがい、新しい環境を迎える、という点では同じ

です。それをどういうふうに捉えるか、という問題で

離婚して輝きを増す人もいますもんね、竹内結子

とか。個人的な感想ですけども。

外から見て幸せかどうかは決められません。

 

もうすぐパパになる彼には、ぜひとも元気な赤ちゃんが

生まれてほしいし、離婚した彼にはこれをステップに

また新しいステージに進んでほしいと思っています。

 

がんばれ!MMK!

 

 

今日から梅雨入りだそうです。梅雨が終われば夏ですね。

私はクーラージャンキーなので、家ではチャンネル争い

ならぬ設定温度争いが激しくなります。

少しはエコにしないといけませんね。。。

 

さて、出向病院とは現在勤務中の病院です。

当時常勤医は4人で1年間に約500のお産と200件強の

婦人科手術をしていました。もちろん非常勤の助けも

来てもらってはいましたので、原則は週に平日1回と

週末は月に2回程度の当直で済むはずです。

 

ところが、部長のユキオ先生は何事もみんなでやろう

という人で、とにかくほとんど毎日9時10時まで残ります。

陣痛が始まっている人がいれば生まれるまで残るから

です。いろんな経験をさせよう、ということだったのだと

思いますが、ホントに多くの経験をさせてもらいました。

 

ユキオ先生は一種変人で、ほとんど家に帰りません。

酔っ払って病院のロビーで寝ているなんてことは日常

茶飯事です。

しかしひとたびスイッチが入るとゴッドハンドがうなりを

あげ、なかなか生まれないと思った赤ちゃんがすーっと

生まれてくるのを何度も経験しました。

 

ある当直の日でした。夜中の12時くらいから分娩が一向に

すすまなくなり、促進剤を使っても生まれません。お母さんが

小さく、赤ちゃんはやや大きめでしたので微妙にきつかった

のです。しかも回旋異常と言って赤ちゃんの向きも反対でした。

でも赤ちゃんはだいぶ下がってきているし、心音はちょくちょく

下がるし、で、鉗子分娩を試みました。

 

鉗子をかけ、いざえいっと引っ張るとびくともしません。

もう一度試みるも、やはりびくともしません。鉗子で引っ張った

せいで赤ちゃんの心音はぐっと下がりました。

(これは参った、、、帝王切開かな)

と思ったのは午前3時。

(いやいや、ひょっとしてユキオ先生がいるかも)

と思い院内PHSをかけると

「んーーー、もしもし」

(これは神の声か??)

 

午前3時はユキオ先生のいつもの起床時間。

分娩室にあらわれた瞬間の安堵感は忘れられません。

一緒に鉗子を引っ張ってくれ、なんとかかんとかお産に

なりました。

 

お産に携わるなら、あるいは医療に携わるなら、

いざという時に備えていつでもスタンバイしている、

ということがとても大事なのだ、と私は理解しました。

 

長時間勤務は集中力を落とし医療ミスを招くから、

交代制で分業する、という考えが主流になってきて

います。しかし、病院にいながらきちんと休息をとって

いればいつでもいい体調でいられる、常に患者さんの

そばにいるということが重要なんだ、ということです。

 

「それなら、病院と家が一緒だったら家にいながら患者

さんのそばにいられるではないか!」

 

と思ったわけです。とすれば、自分の病院を作るしかない、

じゃあ開業だ、というわけです。

しかし、わが医局、わが母校は開業医になる人が少なく

どうしたらいいか、皆目見当がつかないのです。

 

このアーカイブについて

このページには、2008年6月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年5月です。

次のアーカイブは2008年7月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。