医療の最近のブログ記事
昨日はなんだか出血の多い日でした。。。
原因に予想がつくものもありますが、予想がつかないものがほとんど。
お産は本当に救急医療です。
その場になってみないと出血するのかしないのか、赤ちゃんが元気なのか
そうでないのか、よくわかりません。
今日は輸血まで準備しましたが、結局はだんだん落ち着いてきたので
輸血は使わずじまい。少し無駄にはなるけれど、本当によかった。。。
それにしても産婦さんは本当によくがんばります。
誤解が出るのを承知で書きますが、
よく、手術を受けた方に
「よくがんばりましたね」
という声かけをします。でも実際には全身麻酔で無意識なので、体力が
がんばってくれたのであって、気力ががんばったわけではありません。
それだって十分がんばっているんですけどね。
でも産婦さんは意識があって目の前で、出血がどばっと出たり、
赤ちゃんの具合が悪くなったり、それを受け止める気力が必要
なんです。その気力プラス体力もすべての力を振り絞って
がんばらなければなりません。
母は強い、なんて簡単な言葉で言ったら失礼ですが、ほかにあまり
いい言葉も浮かびません。
昨日も産婦さんたちの頑張りで、ワタシが助けられました。
本当に頭が下がります。。
ありがとうございました。
命をかけてお産に臨む産婦さんたちに負けないように、ワタシも
スタッフも命(医師生命、助産師生命、看護師生命)をかけて
お産に臨むようにしなければ、との思いを再確認した1日でした。
久しぶりに医療の話題です。
10月くらいまでに新しい子宮頚がんの予防ワクチンが発売されます。
ガーダシルといって、現行のサーバリックスと同等の効果を持ち、
かつ、コンジローマといういぼの病気の予防にもなるんだそうです。
こんなのが発売されたら、サーバリックスはどうなっちゃうんでしょう?
今までサーバリックスをうった人はどう納得すれば??
もともと海外では両方使われていて、シェアは8割がガーダシル、
2割がサーバリックスだそうです。値段にもよるんでしょうけど、
サーバリックスを積極的に使いたいという理由はなさそうです。
もともと海外では両方使われているのに、なぜ日本では時間差で
発売されるんでしょうね?
なんだかいろんな事情が絡んでいるんでしょうね。
国民の健康の問題以上に重要な事情なんてあるんでしょうか。
このワクチンに絡んでは分からないことだらけですけど、
長期的に見た副作用とかがこれからでるかもしれないので
そういう意味では何種類かあったほうがいいのかもしれません。
発売され次第、こちらでも使っていきますのでご希望のあるかたは
いつでもいらしてください。
昨日、講演会に行ったからこの話題なんですけど、その講演会、
たかだか多摩地域の産婦人科小児科の集まりのくせになんだか
スカした会でした。
立川まで全員分のタクシー券とかいって、そんな無駄なお金を使う
必要があるんでしょうかね。。
ちなみにワタシは遠慮して自家用車です。どうせお酒は飲めないし、
運転したかった、ということではありますが。
金町浄水場から分配されるエリアで、乳児に対して飲料用として
使わないように、というお知らせがありました。
そのエリア外の人は、今まで通り、何の心配も要りません。
そのエリアに入っている場合、粉ミルクで飲ませる場合は
ミネラルウォーターで、それ以外は水道水で大丈夫です。
もちろん、妊婦さんも問題ありません。
乳児、というと1歳未満を言いますが、乳児におみそ汁や
おかゆなどをあげる場合も、できるだけミネラルウォーターを
使うのがよいです。
ただ、お米を洗ったり、食器を洗ったりするのは乳児のもの
であっても水道水で全く問題ありません。
これは3月24日、12時現在の情報に基づいたものです。
放射線の影響について産婦人科学会からの資料です。
無断転載ですが、こんなときだから許してくださいませ。
福島原子力発電所(福島原発)事故のために被曝された、あるいはそのおそれ
がある妊娠中あるいは授乳中の女性のためのQ&A
平成23 年3 月15 日
日本産科婦人科学会
Q1: 被曝によりどのようなことが起こりますか?
A1: 甲状腺がんの発症率が高くなります。
乳幼児や若年者では特に甲状腺がんの発症率が高くなります。しかし、被曝に
より発症したがんは比較的おだやかな性格を持ったがんとされ、治療なしでも
ゆっくりとしか進行しないとされています。40 歳以上では被曝してもあまり発
症率は高くならないとも報告されています。被曝するとお腹の中の児(胎児と
いいます)の甲状腺にも悪影響がでます。
Q2: 被曝量と甲状腺がん発症には関係がありますか? もし、あるとしたら、
どの程度被曝したら甲状腺がんになりやすくなるのでしょうか?
A2: 被曝量が多いと甲状腺がんになりやすいとされています。
甲状腺がんになりやすくなる被曝量については50 ミリシーベルト(1 ミリシー
ベルトは1,000 マイクロシーベルトと同じ量ですので、マイクロシーベルトで
表すと、50,000 マイクロシーベルト)以上とされています。
例えば、時間当たりの被曝量が2,000 マイクロシーベルトの環境にいると、25
時間で総被曝量が50,000 マイクロシーベルトとなり、甲状腺がん発症の危険が
高くなります。
Q3: 甲状腺がんの発症予防法はありますか?
A3: ヨウ化カリウム錠(50mg 錠を2 錠)を被爆後なるべく早期に服用すると、
予防効果があるとされています。
50 ミリシーベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上の被曝を受けた40 歳以
下の妊娠・授乳中女性にはヨウ化カリウム錠(50mg 錠)2 錠服用をお勧めしま
す。通常(平常)時にはこの薬剤は医師により処方されます。インターネット
等でヨードチンキやルゴール液を飲むと予防効果があるという噂がありますが、
効果がありませんし、危険ですので、飲んではいけません。また、海藻類をた
くさん摂取しても効果は限定的と考えられています。被爆量が50 ミリシーベル
トより少ない場合にはにヨウ化カリウムを服用する必要はありません。
Q4: ヨウ化カリウム錠にはどのような副作用があるのでしょうか?
A4: 甲状腺機能低下(甲状腺ホルモンが少なくなること)とアレルギー反応が
心配されます。
成人の場合はあまり心配ないのですが、乳幼児では甲状腺機能低下が特に心配
されまし、妊娠中女性が服用すると、胎児に甲状腺機能低下が起こることがあ
ります。胎児や乳幼児にとって甲状腺ホルモンは脳の発達に特に重要とされて
いるホルモンです。したがって、妊娠中女性がヨウ化カリウムを服用した場合
には児は出生後ただちに甲状腺機能の検査を受けます。同様に乳幼児がヨウ化
カリウム投与を受けた場合にも甲状腺機能の検査を時々受けることになります。
ヨウ素過敏症とわかっている方、また過去にエックス検査時の造影剤でアレ
ルギー反応を起こした方にはヨウ化カリウム服用はお勧めできません。
Q5: ヨウ化カリウムは一回だけ服用すればいいのですか?
A5: 50 ミリシーベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上被曝したが、既に安
全な場所(大気の放射能汚染がない)に移動し、安全な水と食物(放射能汚染
がない水と食物)を摂取している場合には50mg 錠を2 錠1 回服用(計100mg
を一回)で十分です。
しかし、この薬剤の効果持続時間はだいたい24 時間です。再び50 ミリシー
ベルト(50,000 マイクロシーベルト)以上の被曝があった場合(例えば、25,000
マイクロシーベルトの環境に2 時間いる)には同様にヨウ化カリウムを100mg
服用します。しかし、妊娠中女性では胎児への副作用(赤ちゃんの甲状腺機能
低下)も心配されるので、2 回目服用は特に慎重に行なうべきとの意見もありま
す。
Q6: その他、注意することはありますか?
A6: 妊娠中もしくは授乳中の女性ではヨウ化カリウム服用が児の甲状腺機能低
下につながる可能性があります。したがって、妊娠中ならびに授乳中の女性に
あっては、ヨウ化カリウムを服用しないで済むよう、特に被曝量を少なくする
工夫が重要です。線源(ここでは福島原発)から離れること(遠隔地への移動)
が可能な状況であれば、それをお勧めします。